アメリカの超ヲタクも首っ丈な 山下達郎
昨日は竹内まりやだったが、本当は山下達郎が先の筈だった
竹内まりやのMusic Videoがアメリカで大ブレイク…と知ったのは、〈News Week〉誌の〈もし山下達郎氏が、アメリカでサブスクを解禁すれば......〉という記事だった
アメリカ在住の日本人・冷泉彰彦氏の記事で、〈シティポップ〉がアメリカで空前のブレイク中ゆえ、山下達郎氏が頑なにサブスクを拒むのが惜しまれる…という趣旨
〈シティポップ〉の大ブレイクが語られる文脈で、竹内まりや〈プラスティック・ラブ〉Music Videoにも触れられた次第
で、目下 私は〈アメリカでどれだけ山下達郎が人気なのか
〉…という1点に関心がある
というのも最近、アメリカの若いウルトラ音楽ヲタク氏が、〈山下達郎〉を滔々と論じるYouTubeと出逢った
■from poetryonplastic■
〈もし私が神だったら〉という破天荒なタイトルで、いの一番に〈タツロウ・ヤマシータ〉の〈Go Ahead〉をピックアップ
アメリカ人ヲタク氏はヤマシータを〈ジャパニーズ・シティポップのゴッドファーザー〉と紹介 〈シティポップ〉の語はアメリカ市民権を得たボキャブラリーの扱いだった
で、〈Go Aheadはね、ヤマシータがメジャーレーベルでリリース出来るのも最期かも…と思った、いわば白鳥の歌で…〉と、どこで仕入れたか、日本人もビックリな薀蓄を披瀝
〈Go Aheadはヤマシータでも好きな1枚で…〉とも言い、ヤマシータのLPはいろいろ集めた模様
で、コメント欄を見たら、〈ヤマシータぢゃない、ヤマシタだ💢 発音も出来ねぇ癖にジャパニーズ・シティポップ語るな〉というアメリカ人(
)の訂正があった
ここ迄、来たのね…アメリカのシティポップ人気
ともあれ
アメリカ人ヲタク氏は、〈私が神だったら、このアルバムでこの1曲は【削除】したい💢〉と熱弁ふるい、〈This could be the Night〉の名を挙げた
〈この曲はアルバム全体の雰囲気に全くマッチせず、ビーチボーイズ風のチャラい曲調が唐突すぎっ💢〉との由
■from Ripple Web■
〈This could be the Night〉…どういう曲なのか
…気になる
アメリカ人ヲタク氏が酷評した 達郎の1曲
達郎はサブスクやらぬがゆえ、ネットじゃ聴けぬ🆖
CD買うべく、新宿〈ディスクユニオン昭和歌謡館〉に行った
え…達郎のLPもCDも、少なっ
日本はシティポップブーム真っ只中じゃないのかっ
〈ディスクユニオン新宿ロック館〉も同様の扱い
が、新宿おそるべし
〈ディスクユニオン新宿中古センター〉でCD発見
高音質で世界的に名高い〈For You〉のCDも買った
さぁ、検聴ぢゃ👂
どういう曲なのだ、〈This could be the Night〉🌓
いちおう律儀に1曲目からスタート
次作〈Ride on Time〉以降の派手派手路線と比べれば、ぐっとシンプルでゴリゴリした音🔊 アナログっぽい音かも
…で、ラス2の9曲目〈This could be the Night〉🌔
おおっ、ガチでビーチボーイズサウンドぢゃないの
日本人の私としちゃ、模倣のハイクオリティ()に仰天
流石Made in Japanやね
全く問題とは思えぬが、思い当たる節もある
アメリカ人にはもう身体の一部のような耳慣れたサウンドゆえ、ジャパニーズ・シティポップなアルバムにあれば、日本人には思いもよらぬ違和感があるかも🤔
たとえば2020年の春、パリの二つ星レストランに行った
■from Mandarin Oriental■
アバンギャルドなフランス料理なのに、〈ユズ〉だの〈ワギュー〉だのといったメニュー表記を見、〈わざわざパリに来たのにこれかよ💢〉と天を仰ぎたい心地だった
と考えれば、彼の憤怒()も分かる
〈Go Ahead〉のLPは(当然のように)なかったが、ウチには達郎初期の名曲が9分間メドレーになった〈販促用45回転ピクチャーLP〉がある
〈Go Ahead〉の曲も幾つか含まれ、CDと聴き比べた👂
…まぁ昨日(竹内まりや)の印象と変わらず
レコードの蘊奥を究めた達郎ゆえ、CDはデジタルの利点を活用しつつも、アナログ的な魅力(奥行きや臨場感)が失われぬよう、最大限の努力が払われた労苦が窺える
パッと聴き、〈すげぇ…〉と思うのは(きっと)CD
だが、ひとたびリアリティやアトモスフェアといった〈気分〉の領域となれば、アナログに軍配があがる🍩
〈For You〉のCD/LP比較検聴も同様の印象
ちなみに販促用45回転LPはミキシングのため音が劣化と思われ、33回転オリジナル盤のほうが好い
達郎サウンドで印象的なのはあのエコー(響き)だが、リアリティやアトモスフェアとモロに関わるがゆえ、基本レコードが好い
CDは単なる反響音だが、LPは空間の奥行きを感じる
で、まぁいろいろご意見あると思うが、達郎氏はサブスクなどなさらず、基本レコード、やむを得ずCDで、おのがスタンスを貫かれたほうが好い…とも思われる
例のアメリカ人ヲタク氏も、サブスクで聴けないアルバムゆえ、あれほど熱弁ふるった…とはいえまいか🤔
ともあれ
音楽を論じる事は(時折)鑑賞以上に面白い
達郎氏も齢70才
論ずればキリのない方々が老境を迎え、鬼籍に入られ…と思えば、寂寞たる気持ちが禁じえない