世界的オーディオ誌〈認定〉な超高音質CD
ジョン・レノン〈イマジン〉はもう(世界中で)語られ切った
が、『音』の事は(恐らく)十分に語られずに居る
曲と歌詞の内容が凄すぎ、『音』に注意が回らぬ…というのが真相と思われる。
私自身、〈イマジン〉の『音』に深い関心を持った事はなかった。…が、〈え”っ〉と思った一件があった。
世界的な権威と目される米誌〈アブソリュート・サウンド〉が選ぶ〈スーパーLPリスト〉に、アルバム〈イマジン〉がランクインしたのだ
歴史に残る超Hi-Fi録音に〈イマジン〉が分け入るとは…
ひとたび〈イマジン〉の『音』に意識を向けるや、〈たしか、あのビアノぼやけた音だった…〉とか〈ジョンの声、エコー効きすぎ〉とか、オーディオ的に肯定的な印象は薄い
というか、録音が悪い事で知られる〈アクロス・ザ・ユニバース(ジョン自身も後年『好きな曲だが、音が悪い』と告白)と並ぶ、名曲だが迷録音なジャンルか…とも思われる
■from Beatlesebook.com■
〈検証魂〉が疼くが、ランクインの対象となった〈アルティメイト・コレクション〉は基本、実に6枚組のCD(またはLP)ボックス
豊富な〈新規発掘録音〉がウリだが、そもそもジョン・レノンのソロ時代は実に玉石混交(
)な楽曲の印象で、アルバム〈イマジン〉でさえ真剣に聴き通した記憶がない
当然アルバムはCDもLPも所有せず、一気に〈アルティメイト・コレクション〉に飛ぶのは勇気がいる
が、〈検証熱〉にやられたこの夏、私は(弱気に)〈アルティメイト…〉の抜粋2枚組を買った
で、肝心のLPがない
…どうする、ヨコカワ。また買うのか
はい。買ったよ。
英国オリジナル初期盤の若いスタンパー🍩
もう夏が終わる頃には破産の予感
で、1曲目〈イマジン〉🔊
もはや押しも押されぬ〈シグネーチャーソング〉の〈シグネーチャーイントロ〉
音が好いか…といえば、好いとはいえぬが、すこぶる味わい深い、じかに心臓に触れる音
控えめな(弱々しい)ストリングスが、いじらしい
ピアノは悪名高き天才フィル・スペクターに弄ばれつつも、理想郷というか、桃源郷というか、天国の音だ
ジョンの声は意外とフラットで、〈音の細工〉は控えめ
マイクで拾った生音自体は好い音だったかも…と思う内、2曲目〈クリップルド・インサイド〉がスタート
…げっ、げげっ。
すげぇ、好い音
すこぶるパンチが効き、歯切れ好い、ズッシリ中身の詰まった、迫力満点の音
アコースティックギターやスチールギターなど破裂音のようだ
…この音は、聴き覺えがある
ビートルズ〈レット・イット・ビー〉のサウンドだ
同アルバムは曲も録音も玉石混交だが、ジョージの〈アイ・ミー・マイン〉など、殊にギターは〈クリップルド…〉に通じる、ハッとするような迫力でのけぞる
類似なのは当然といえば当然。
ほぼ同時期にリリースされた両アルバムは、(有名な話だが)フィル・スペクターのプロデュース
むしろ〈レット・イット・ビー〉はジョン・レノンとフィル・スペクターの音嗜好で創られたのかも…と思い至る
3曲目〈ジェラス・ガイ〉は押しも押されぬジョンの代表作
思いのほか『音』は好いが、2曲目に比べれば〈音の加工〉の過剰感は否めず
B面〈オー・マイ・ラブ〉や〈ハウ〉のような、ビートルズ時代の〈ジュリア〉の流れを汲む〈囁き系バラッド〉は側側と胸に迫る
で、CD
のっけから、やられた
ピアノが、ぶっとい。でっかい。
ジョンの声が、また、ぶっとい。でっかい。
つづくドラムスが、またごっつい。
有無を言わせぬ、堂々たる迫力。
ストリングスも朗々と歌いあげる。
心臓を鷲掴む音。
いや、でっかい鼓動にも聴こえる。
こりゃ、すげぇ。
やるな…〈アブソリュート・サウンド〉
で、曲はアッという間に終わる。
もう、スタンディングオベーション
2曲目も更にパワーアップ
少なくともビートルズの全楽曲で、これほどクラリティとリアリティあふれる録音は(絶対に)あるまい(あれば好いのに)
〈ジェラス・ガイ〉も文句ナシのHi-Fiサウンド🔊
やっぱ、生録のテープが好かったのだ
〈オー・マイ・ラブ〉や〈ハウ〉のような佳曲も、各パートの音が明瞭に聴き分けられば、感動もいや増す
すげぇ…これは、買いだ(キッパリ)
LPとの優劣は難しいが、コスパは(当然)圧倒的に好い
が。久々に〈イマジン〉を聴き、エンディングに打たれた
〈言いたい事は言ったから…お終い〉な潔い終止符
これに比べれば天下の名曲〈ヘイ・ジュード〉も冗長の感
■from ザ・ビートルズとその周辺■
とすれば、6枚組の〈大作〉に引き伸ばされた〈アルティメイト・コレクション〉は、ジョンの目にどう映るか…
ともあれ
好きものコレクター(=私)は(きっと)ジョンに諭される👀
…イマジンしろよ…
…『所有』など無いと…
自戒