米ワシントンポスト紙も大々的に報道〜レコード・オーディオ史に残る怪事件

ついにあの《ワシントンポスト紙》が『MoFi事件(ゲート)』を大々的に扱った😱

 

ワシントンポスト紙といえば、ウォーターゲート事件でその名を知らしめた有力新聞📰

今回のMoFi騒動もウォーターゲート事件にあやかった《MoFiゲート》なる仇名が付けられたが、他ならぬワシントンポスト紙がこの問題を大々的に扱った。

 

インパクトは大きかった。国内外のビッグニュースが多い中、同紙のアクセスランキングBEST5にランクインし続ける、筆者(ジェフ・エジャーズ氏=スター記者らしい)もビックリな反響だった。

先月の〈事件〉発生当時から、実は僅かなマニアの関心に限られる〈コップの中の嵐〉かも…という見方もあった👀

 

が、ついに米国有力紙も本格的に扱う《大問題》となった。私個人もこれほど刺激的で興味がそそられる事件は稀と感ぜられる。

 

事件の詳細は、前々回の拙ブログでまとめた⬇

 

 

で、今回ワシントンポストがニュース扱いとなったのは、奇怪ともいえる〈レコード・オーディオ業界の神話〉が同紙の関心を惹いた点にあると思われる。

 

死者や負傷者が出た事件に非ず、業界的に有名とはいえ一般的な知名度はゼロに近い《MoFi》ブランドの不祥事…と考えれば、ニュースバリューは非常に低い。

 

が、〈レコード・オーディオ業界の神話〉というアングルで見れば、残酷なほど生々しい人間ドラマという一面が顕れる。

 

〈神話〉…すなわち魑魅魍魎が跋扈し、〈謎〉と〈嘘〉が支配する、虚実混交な(胡散臭い)世界。

そういう世界であるがゆえ、人は〈神話〉に魅せられ、実際にすこぶる興味深い。

 

今回ワシントンポスト紙の記事のポイントは、有名評論家やマニアの『胡散臭さ』、また彼らを騙したMoFiブランドの『胡散臭さ』に絞られたかに見える。

 

オーディオ(レコード)評論家やマニアといえば、豪華なオーディオセットの前でしかめっ面をこしらえ、難しい顔でご宣託をのべる…イメージ。ううむ…そこはかとなく胡散臭い(💦)。

記事中でも有名評論家マイケル・フレマー氏を〈グル(尊師〉と言われる〉と紹介。フレマー氏は同記事でもYouTubeでも、今回の事件につき激烈なMoFi批判を行った🔥

激烈なるのもむべなるかな💦

 

フレマー氏は2016年11月、自身が主筆の《アナログプラネット》というウエブサイトで、MoFi豪華レコード《ウルトラディスク・ワンステップ》の第1弾、45回転仕様のサンタナ《アブラクサス》をこれ以上ない表現で激賞。

 

あろうことか〈11点満点中11点〉の最高評価を与え、〈人生で聴いた最高のレコードかも〉とさえ書いた👑


…が、そのレコードはマスターテープをデジタル変換したサウンドだった😨 ザックリいえばCDと原理的に変わらぬ音、あるいはいわゆるハイレゾの音だった💧

フレマー氏はじめプロの評論家やマニアも、MoFiはオリジナル・アナログ・マスターテープ由来の全工程完全アナログ製作作業と疑わず、同ブランドおよびアナログ礼賛のブログやYouTube記事を発表し続けた🎉

 

が、MoFiの看板商品ラインともいうべき豪華〈ワンステップ〉シリーズは過去も今後販売予定も含め、ほぼ全部のタイトルがデジタル化ソースを使ったと判明爆弾

 

ワシントンポスト紙の記事では、MoFiの社長がデジタル化事実の暴露に怯えた事実も明らかとなった💡

 

社長は(事件の発端となった)インタビューに介入すべく、出先から戻った空港でレンタカーを借りる列についたが、待ち時間が長かったため、タッチの差で間に合わなかった…という生々しすぎるエピソードも紹介🚗

同記事は、名だたるマニアの弁護士のコメントで結ばれる。

 

〈自称《黄金の耳》を持つ連中も結局、デジタルとアナログを聴き分けられなかった訳だ。MoFi騒動はそういう長年の嘘を暴いた〉。

 

有名オーディオ・ブロガーのマイケル・ルードヴィッヒ(ドイツ在住)は日本時間の昨夜、自身のYouTubeチャンネル〈45 RPM Audiophile〉にエジャーズ記者(アメリカ在住)を招き、公開生ヒアリングを行った🎥

マイケルもMoFi〈ワンステップ〉のファンでしばしば褒めそやしたがゆえ、心中穏やかならぬ筈。というか、〈MoFiのやった事は、誤解を招くとか、曖昧だったとか、そういう次元じゃない。われわれを騙した、嘘をついた〉と激白🔥

 

〈もう次のワンステップのニューリリースが待ちきれない❢…という、初々しい興奮は完全に醒め切った〉と言った😂

 

で、マイケルは最も訊きたい(と思しき)質問をした🎤

〈記事の結びは、なぜあのコメントだったのか❓❓〉

 

記者はやや狼狽えたようにも見えたが、基本は〈いろいろな見方がある事を紹介したかった〉という返事。

 

が、記者が興味を持ち、書きたかったポイントは恐らく、レコードやオーディオの神話、神話にまつわる謎や嘘だった。

 

記事の結びは〈王様は裸だった〉というオチとしか見えぬ💦

今回の事件はレコード・オーディオ史に残る〈大事件(怪事件❓)〉に違いない。その発端と展開をグローバルかつリアルタイムで見られ、私は久々に〈今という時代〉を生きる興奮を覚えた(通常、〈昔〉に生きるがゆえ🌀)。

 

ともあれ。レコードやオーディオはこの〈胡散臭さ〉ゆえ、尽きせぬ興味をそそる世界といえ、面白い。

 

主観と客観のせめぎ合い、事実と嘘のない交ぜ、虚栄と実感の入り乱れ…。であるがゆえ、面白い。

 

これはいわゆる〈グルメ〉と非常に似たものがある🍖

 

ことにワインの判別はプロでも簡単に大きなミスを犯す。

あの麗々しいラベルやもっともらしい故事来歴で、人は客観的な判断能力を失う(とも思われる💦)。

だから面白い🍷

 

《MoFi事件》がわれわれに提起した〈問題〉は、古今東西永遠に変わらぬ、人間の性に関わるがゆえ、面白く、重く、そして…切ない。