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まったく飽きぬ〈アビーロード〉と〈ザイカレー〉 

ビートルズのアビーロードは中2の頃(45年前❢)以来、数え切れぬほど聴いたが、未だに聴き飽きぬ。

 

無数に鑑賞すればおのずと身体の一部と化す。自分の身体に飽きないのと同じく、アビーロードは飽きぬ。尤も、自分の身体に飽きない…というのも、なにか不思議な気がする。

 

アビーロードの特色のひとつは、〈ヒア・カムズ・ザ・サン〉や〈サン・キング〉における太陽や、〈ビコーズ〉の空、あるいはあの〈鈴虫の声〉など、〈自然讃歌〉ともいうべき抒情にあふれる点とはいえまいか。

 

小林秀雄によれば〈肉体〉も〈自然〉に他ならぬ。

〈自然〉は飽きない…アビーロードは普遍の真理さえ指し示す、まことに深遠なるアルバムなのだ。

 

…と書きつつ、本日の昼間、国立〈ロージナ茶房〉で喰った〈ザイカレー(⬆TOP画像⬆〉を思い出す。〈ロージナ茶房〉も〈ザイカレー〉も飽きぬ。

 

〈ロージナ茶房〉は1954年創業という老舗だが、私が同店に行き始めたのは幼稚園の頃ゆえ、開業10年ソコソコだった訳だ💦
それゆえ私の中で〈老舗〉というイメージは薄い。

が、上手に歳を重ねた店内に見入れば、〈嗚呼、ココは堂々たる老舗なのだ…〉という感が深まる。

 

〈ザイカレー〉は半年ほど前〈再発見〉、このやや厳し目な辛味と酸味は怪しい中毒性を帯びる。カルボナーラやナポリタン、あるいはドライカレーも秀逸だが、結局、〈ザイカレー〉一択だ。

 

隣席は一橋大学の学生と思しき男のコ1人客で、いかにも嬉しげに〈ザイカレーとコーヒー。コーヒーは食事の後でお願いします♥〉とオーダーした。常連さえワクワクさせるメニューなどザラにない。


尤も今日のメインイベントは、昭島〈カインズホーム〉。

ベランダに置く植物の物色が目的だ。

只でさえ家に居る時間が多い仕事だが、コロナ禍で更に拍車がかかった。気分も晴れないが、植物(緑)には癒やされる。生来の凝り性ゆえ、アッという間にベランダは緑の巣窟となった🌴

〈カインズホーム〉の巨大な店内に居れば、おのずと頬が緩む。はためにはやや気色悪いかも。1時間が10分のように過ぎる。

 

小雨しょぼ降る中央高速を西走、早速、ベランダにミニプラントを並べ、悦に入った。…小さな幸せ。いや、60年近くもこの身体と付き合えば、人間はいかに小さいか身にしむ。

 

〈アビーロード〉は大言壮語せず、身辺雑記を歌った。金が欲しいだの、彼女がほしいだの、〈初期〉の青い渇愛は影を潜める(ま、〈アイ・ウォント・ユー〉という曲もあるにせよ💦)。

 

そうして〈ビートルズ〉は逝った。
〈ビートルズ〉の8年に及ぶキャリアをひとつの人生に擬えるなら、最高の死に方だった…と思えてならない。