「ビー玉……。女?」

「そうだよ。清順のことが好きだから、あたしは女の子!」









爽やかさと色っぽさ、まじめといい加減のバランスの良さが気に入った。



あたしはビー玉 (幻冬舎文庫)/幻冬舎
¥630
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やっぱり、表紙って大事だなあと思う。

ファーストインパクトがあって、読み終わって見返すと、実は物語を雄弁に語っていたことに気づくような表紙って最高だ。







ビー玉が、持ち主である男の子のことを好きになってしまうお話。

時々可愛いくてちょっと風変わりの女の子の姿として描写されてるので、自分をビー玉だと思いこんでいる清順の幼なじみの女の子の話かと思ったら、本当にビー玉が主人公の話だった!(笑)

数ページ読んで、好きだなあと思った。

読み終わるのがもったいなくてちびちび読んでたけど、読み終わっちゃった。
   

ビー玉、軽い語りがいい。

考え方は冷めてるのに清順のことは本当に好きなんだなあと伝わってくる。

可愛い、可愛いぞ。ビー玉。

清順は格好つけで理屈っぽくてプライドが高いのにちょっと甘くて、アオいなー(笑)ってかんじ。まさに16歳だ。

アルバイト先の先輩チクチューや、同級生の岡本くんもなかなか素敵。

学校や社会のヘンなところをチクッと刺してるのもヤングアダルトっぽくていいと思います。

中高生の頃に読みたかったなあ。

解説が加藤千恵さんなのもいい。


しかし…ラスト。

びっくりした(笑)

深く考えたらちょっとこわい気がした。

え、ついてっちゃうの。

清順が本当に好きなのって…みたいな(^_^;)


でもビー玉がただのビー玉に戻るとか、人間の女の子になるとか、そういうオチよりいいと思う。


ジュースの中を泳ぐビー玉のことを、清順がストローで吸う描写がエロティック。

山崎ナオコーラさん、初読みだったけど、他も読みたくなりました。











いいねぇ、いいねぇ。

表紙が会田誠さんな時点でもう買いですよ。


桜庭一樹短編集/文藝春秋
¥1,365
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先日読書日記を読んで桜庭一樹さんに興味を持ちましたので、とりあえず短篇集から読んでみました。

なんていうかすごく曖昧な印象を受けました。

物語ではなくて人物に。

若いのか年取ってるのか、男なのか女なのか…全編通して非常にボーダーレスなかんじ。

桜庭さんご自身もどこかそんなにおいを感じさせますね。

そういう意味でこの表紙の《あぜ道》は本当本作にぴったりの絵だと思います。

こういう曖昧でちょっとはみ出している(何からでしょう)作風はちょっと前まで苦手な部類だったと思うのですが、最近は好きなんですよね。

全編好ましいと思いましたが、親の期待に答えられなくて実家(出戻りの妹あり)に居場所もなくて、三十代にして初めての一人暮らしで、会社でも息を殺していて、もう本当どこにも行き場がない女を描いた『冬の牡丹』が一番印象に残りました。


いったいどうすれば、ほんとうに一生懸命生きる、なんて奇跡のような芸当ができるのか。わたしたちがどう戦えば、あなたたちは満足するのか。わたしたちを赦してくれるのか。


上記の短編からの引用ですが、この文章を読んでなんかブワッとこみ上げてくるものがありました。


そんなわけで、好きです桜庭一樹。