こんな夢を見た。


坂だらけの石畳の街では、犯罪も多い。

古着屋では、黒ジャケットの若い男が頭に血が昇ったらしく銃を発砲していた。

ところ狭しと並べられた衣服の海を掻き分けて、店の外に出る。

よろけながらも必死に夜の坂を昇り、他の町人とともにことの成り行きを見守った。

土産物を取り扱う広く古びた雑貨屋の隣の広場に、一台のバスのような車が停まる。

降りてきたのはでっぷりとした体をワインレッドのロングドレスに包んだ、ショートヘアの中年の女。

詐欺と殺人の容疑で逮捕された凶悪犯だとすぐにわかった。

女は体を揺らしながら、誰もいない広場で、高らかに持論を展開する。

それがなぜだかとても怖くて、こんな街はもうたくさんだと思って、雑貨屋の前で停車した長距離バスに乗り込んだ。

映画のセットのような作り物みたいな街で、物陰に身を隠して息を潜めて危機を遣り過ごす町人。

その全てが嘘くさく芝居じみていた。


市街を出たバスの車窓に、湖と黄緑色の木々の影が映りこむ。


そこで目が覚めた。






今朝のはなんだかスゴくカラフルな夢だった。
まるで西洋のお菓子みたいなちょっと毒々しいカラフルさ。
古着屋のたくさんの衣服、黒ジャケットの若い男、発砲、古いホテルの赤茶の壁、土産物がたくさんある雑貨屋、護送車から降りてきた太った女、夜の石畳の坂、黄色っぽい照明のフードコートと、気難しそうなおばさんのいる古本屋と店内に流れるラジオ放送…みたいな断片だけ覚えている。

エンターテイメントに溢れていたけど、犯罪者から逃げる瞬間だけはとても怖かったな。