親しいケアマネから一本の電話が。

『聞いてよ!今日大恥かいたんだよ!』

何事かと話を聞いた。
彼女は本日、自分の利用者の認定調査(更新のため)の立ち会いがあり、高齢者住宅へと赴いたらしい。
このコロナ渦下。
利用者の家族とは数ヶ月ぶりに会うとのことで、顔がうろ覚えだった。

高齢者住宅へと足を踏み入れた時、エントランスの傍に入居者が1名。受付カウンター前に女性が1名。中にはスタッフらしき人はいなかった。

『●●さんですか?』

『はい!』

『あーお久しぶりです!こんな状況でなかなかお会いできなくて!』

『本当に、お世話になっております。今日は宜しくお願いします』

『こちらこそです。どうですか?ご本人の様子は。毎日電話が来たりということはないですか?』

『全然!問題ないんですよ〜』

『良かった!』

そんな世間話をしていた。

多くの施設でそうだが、面会の時には必ず名前と時間を書く必要がある。
カウンターで名前と時間を書いていた時、ふいに背後から話し声が聞こえた。

『今日●●さんのところに認定調査が来るんですって、あの人』

え!?
驚いて振り返ったその先で、たった今話していたその女性と、エントランスのベンチに座っていた人が話してこちらを見ていた・・・

え!

その女性、その高齢者住宅に住んでいる入居者だった、、、

目が、点になる。

全てを理解し、そして思い出した。
利用者の訪問に来た時に、ちょくちょく会っていた人(認知症)だと。


認知症を持つ方は、素晴らしい社交性を持ち合わせていることがある。
こちらの話に合わせ、応対する能力に長けた人達だ。
長い人生で培ってきたスキルは、たとえ認知症になった時でも存分に発揮することができる。

結論から言うと、友人は、その場に他の人がいなくて本当に良かった、とのことだった。