「ただいま神様当番」
青山美智子
またまた青山美智子さんの短編小説です。
なんだかいって青山さんの本を手に取ってしまう。またそれぞれのお話の繋がり。あってもなくてもいいような繋がりが、やっぱりあるから面白いのかな。
このお話は突然手首に「神様当番」という文字が書かれて、神様を満足させないといつまでも消えない。消えないと、自分の意思に反して勝手に手が動いて勝手な行動をしてしまう。勝手な行動をされるわけだから、本人(主人公)は嫌なんだけど、読んでいると、それが本当にやりたいことなんだ、心の奥深くに眠っていて、やりたくても恥ずかしさだったり諦めだったりでできないことを、神様がさせてくれてるって思える。
例えば、バスの中で辛そうにしている方がいて、その目の前にいる席を譲らない人を「神様当番」と書かれた腕が勝手に動いて、その人をどかし、席を譲らせるだったり。でも、その譲らなかった人も本当は譲りたいのにきっかけを待ってたということにまで触れていて、いいな〜と思ったり。
また違う話では、主人公の高学年の女の子が弟がいるからお母さんに素直に甘えられなくて、でも、「神様当番」って書かれた腕が勝手に動いて、お母さんさんの手を自分の頭にもっていっていい子いい子して「私のこと、お姉ちゃんじゃなくて、名前で呼んで」っていうお話。なんか涙いっぱい出ちゃった。
本編後、表紙のミニュチュアを作っているミニュチュア作家の田中達也さんと青山さんの対談が載っていて、その内容も共感ばかりで読んでよかったと思えた本だったな。

