【大野 潤】
この名前にも随分慣れてきた
高校入学の書類に保証人の記載が必要だった
あー、やっぱり俺には普通の生活は出来ないんだ
そう思いながら、その書類を眺めていた
スっと横から伸びてきた手
その手がサラサラとその欄にサインをした
『俺も書いてやる。だから潤も書け』
ニヤリとしたり顔で見覚えのある用紙を差し出された
これも智の優しさ
どうしていいか分からない俺に
一方的なように見えて
無理矢理のようにみせて
その裏には優しさが溢れている
その日の夜にリビングのテーブルの上にそっと置いた1枚の紙は、朝には智と共に無くなっていた