『ごめん。陽性。今日からしばらく帰らない』
兄弟のグループLINEに突如入った末っ子潤からの
一言
「「マジかっ……」」
いつも通り、一緒に仕事をしていた翔と和也は
同時に言葉が出た
今頃、他の兄弟達も慌てながらも心配を募らせているだろう
本社勤務の翔と和也
感染症の流行により、リモートワークを推奨
他の社員達は週に1日のペースでの出勤に切り替えている
元々、家に籠りがちな智はいいとして
潤と雅紀は仕事上、どうしても沢山の人と共に仕事をしなくてはならない
なので、2人とその社員達には定期的にPCR検査を行っていた
心配の声が次々とグループLINEに入って、しばらくした後
『無症状だから大丈夫』
その一言に酷く安心した4人
潤はそのままホテルに隔離生活
兄弟達はPCR検査をしたが、幸いにも陰性だった
それでもしばらくは……と、
皆が出社を控え、家の中の除菌や普段潤に任せっきりの家事にと奮闘している
《ピンポーン、〇川急便でーす》
届いたのは沢山の除菌グッズに1週間分の食材
に献立表
潤の飲食店をやっている友達が数日おきに、弁当を届けてくれるスケジュール表だった
「自分が不安な時にまったく……」
皆で届いた箱の中身を眺め、気遣い屋さんの潤らしいなと心が安らぐのだった
「無事、何事もなく療養期間が終わりますように」
兄弟たちの思いは同じ
潤が帰って来た時に怒られないように、食生活も家事もちゃんとしようと誓った