「智~~起きてっ!」
仕事から久しぶりに帰ってきた智
リビングのソファで寝ているのを無理矢理起こすのはすでにお決まりの事
あれから3年
俺の保護観察ももう少しで終わる
『高校くらいは出ていた方がいい、これからの為にも』
そう言ってたくさんの参考書と高校の入学案内を持ってきたしょうくん
『学費や生活費は俺と智さんでどうにでもなる』
そんなしょうくんの前に小さなダンボールを置いた
中には5年間で稼いだお金のほとんどが詰め込まれている
ダンボールに入るくらいだから、そこそこの金額だ
夢や将来の事なんて考えてたわけじゃない
貯めたのではなく勝手に貯まっていった
いわゆる生活費というやつは社長が払ってくれてたし、何処かに出かけたり友達と遊びに行ったりなんてなかったから使う事がほとんどなかっただけ
俺を繋ぎ止めるために、社長は毎月それなりのお金を置いていってた
それをダンボールに突っ込んでいただけ
『それは潤の将来のために使いなさい』
『で、でもっ』
『俺も智さんも出してやりたいんだよ』
そう言ってそのお金はダンボールから俺名義の初めての通帳に入った