「Happy Happy birthday~~ふふふーん♬︎♡」


今日はしょおくんの誕生日
一緒にお祝い出来るようになってもう何年かな?


今年は平日だし、しょおくんは仕事だから
ちょっとだけ豪華なディナーを家でと思い準備中


キッチンにいつもの様に座りながら、愛をたっぷり込めて、しょおくんの大好物ばかりを作っていく


最近、お互い仕事が忙しくてゆっくり2人で夕ご飯も食べられなかったから嬉しくて堪らない



ピンポーンとチャイムが鳴ると、勝手知ったる我が家の様に俺が出る前に入ってきたかず


「おじゃましますよー」


「はーい」


相葉くんとの事務所兼自宅を同じマンションにしてからというもの、しょおくんの忙しい時はたまに様子を見に来てくれる


「調子はどう?」

「ん?大丈夫だよ」


クルリと椅子を回転させられて、俺の足を念入りにチェックするかず

一通りのチェックが終わるとキッチンに並ぶ食材を見たかずがニヤリと笑う


「な、なんだよっ」

「今日はお熱い夜かなーと」

「ば、ばかっ!」


作り途中のカルパッチョを「美味っ!」とつまみ食いをして手を振って帰って行った


「もおー」

恥ずかしさで自分でも紅くなっているのが分かる顔をパタパタと手で仰いだ




「よしっ!後はしょおくんが帰ってきたら仕上げするだけっ!」


時計を確認すると21時を少し過ぎたところ

今日も遅いのかな?



「お祝いは改めて2人が休みの時なっ」

って言ってくれたしょおくん


だからきっと今日はいつも通りと思ってる

今朝、何気なく聞いた時は今日あたりで仕事の目処がつくって言ってたから、そんなに遅くはならないはず


22時をまわった頃、少しだけ玄関先が騒がしくなった


ピンポーンとチャイムが鳴らされて、いつもの様に玄関に向かうとドアの向こう側から何人かの声


ガチャリと開いた先に居たのは
しょおくんと一緒に働いてくれている後輩さん


「潤さん、こんばんはー」

「こ、こんばんは……」

困惑している俺にしょおくんは鼻の頭をポリポリ掻きながら言い訳をした

「潤、ごめん!どうしても来るって聞かなくてさ。少しだけ飲んで帰らせようと思ったんだけど……」


少しだけ香るお酒の匂い


「えー、だって俺だって潤さんにたまには会いたいですもんっ!」

仕事柄、人付き合いは大事だし、俺としょおくんの間柄はオープンにしているから、たまに家に人を呼んだりする事はある


でも、なんとなく暗黙の了解で誰かを呼ぶ時はお互い事前に連絡してたし


今日はしょおくんの誕生日なのにな……


あと少しでしょおくんの誕生日が終わってしまう


「まっ、とりあえず上がれよっ」


そんな俺の考えには気付かないしょおくん

後輩さんを家に上げてリビングに向かった


その背中がとっても遠く感じて
1人勝手に誕生日だと盛り上がっていた自分が恥ずかしくて
どうしてもその後ろを追いかけられなくて


俺は玄関を出てしまった……