退院を明日に控えた今日

警察の方がどうしても話を聞きたいと訪ねて来た

先生とは何回かやり取りをしていたらしく、俺の体調、精神的を考慮してギリギリまで待っていてくれたようだ


医師が同席の上として、事情聴取という形になった


しょおくんはそれを聞いてすぐ、スケジュールをこじ開けた


「大丈夫」と言ってはみたが、しょおくんに一緒にいてもらえるのはすごく安心感があって嬉しかった






「では、松本さんが気が付いた時には……」

「はい、もうホテルのベッドの上で………」


脳裏に過ぎる映像に恐怖に支配されそうになる

最初ほどではないが、震え始める身体

ベッドの横で手を握っていたしょおくんの力が強くなる

ゆっくりと身体を寄せられて、しょおくんの温もりにそれ以上、震えが大きくなる事はなかった






事が事だけに慎重に調査は行われているようで、今回は何もなかった……とはいかない

前みたいに綺麗さっぱりなかった事には出来ないらしい

まぁ、それでもやっぱり先輩の親の力は健在で
先輩の名前が公表される事はないし、罪としてもかなり軽いものにはなる


申し訳なさそうな顔をして説明を終えた警察官は帰って行った








「ふぅ………」


一気に肩の力が抜けて、しょおくんに凭れかかる

その間に先生が脈や呼吸を確認して出て行った



「頑張ったな……」


ゆっくり頭を撫でられて、温もりに包まれる




「少し休むか?」

「ううん、大丈夫……もう少しこのまま」


しょおくんの背中に手を回してピッタリとくっついて、しょおくんの鼓動を感じる




「しょおくん………」


「ん?」


「退院したら……」


「うん」


「………しょおくん家に」


「うん」


「行っても………いい?………かな?



自然と言葉が出てきた
グルグルと考えていたのが嘘のように