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退院の数日後
今日はかずと相葉さんが俺の退院祝いをしてくれると………なぜか俺たちの家で準備中


キッチンからはかずのリズムのよい包丁の音

リビングでは鼻歌を歌いながら幼稚園のお遊戯会ばりに相葉さんが飾りつけ

しょおくんは家にいても邪魔だと言われ、アルコール調達に向かわされている

「かずー、手伝うよ」

「座ってなよ、主役なんだからさ」

「だって………」

「くふっ、愛しのしょおくんがいなくて寂しい?」

「ばっ、ば……ばかっ!俺はただ手伝いたいだけだよっ!」

「はいはい、じゃ、割り下作って下さい。今日はじゅんくんの好きなすき焼きです」


かずから調味料を渡され混ぜ合わせる

んー、甘いかな?

「かず、どう?」

かずの口にスプーンを持っていこうとしたら、違う手に遮られた

「はい、間接キスはだめー」

「しょおくんっ!」

大量のアルコールの袋を持ったしょおくんがいた

「全く俺のいない隙に………」

「いや、味見だから」

「同じスプーンを使う事はないだろ」

「ってか、その前にかずだし」

「ニノでもだめー。はい、潤はこっちでテーブル準備な」

しょおくんに引っ張られリビングに行けば、相葉さんが肩を震わせ笑いを堪えている


恥ずかしい…………

「潤ちゃん、愛されてるねっ!」

すれ違いざまに耳元で囁かれた

「………あっ、愛っ………」

「俺もにのちゃんを愛してこなきゃ!
にのちゃーんっ」

言うだけ言ってキッチンにいるかずの元へ去って行った




「「「退院、おめでとー&コンテスト入賞おめでとー」」」


「ありがとうございます」

カチンとグラスを合わせ飲み始めた 

 
箸が進めば酒も進む
みるみる大量の空き缶がテーブルには並んでいた

俺の隣に座るしょおくんの手は俺の足を撫でている

退院の時に先生からマッサージも回復に効果的だと言われてから、毎日しょおくんが足をマッサージしてくれている
だからか、隣に座っていると無意識に俺の足を撫でてしまうらしい


「あー、しょうちゃんがお触りしてるー」

「ばっ、ばか、違うよっ!疲れただろうからマッサージだよ、マッサージっ!な?」

焦るしょおくんが可愛いな

「うん、マッサージだよ。しばらくキッチン立ってなかったからね」

そうフォローをすれば、かずが笑いを堪えている


「わたしたちお邪魔なようなので帰りますか?」

「うんっ、俺も帰ったらにのちゃんマッサージしてあげるねっ」

はいはいと受け流されながら、騒がしく帰って行った



片付けをしている間にしょおくんはお風呂へ
入れ替わりで俺もシャワーを浴びに行く
バスタブに入りたいけど、今は足が不安で入れないでいる


「楽しかったね」

相葉さんが頑張ってくれた飾り付けを眺めながら
余韻に浸る

「だなっ」

自然としょおくんの足の間に座る形で足をマッサージしてくれている

そのまま後ろからうなじにキスを落とされる

「んっ……」

何度も落とされ更に耳朶を甘噛みされる

「…あっ……」

クイッと後ろを向かされ唇を塞がれる
最初から深いキス
舌を吸われ口内をぐるりと舐められ絡ませあう

「ベット、行こう……」

耳元で囁かれればもう頷く事しか出来ない