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ずっと考えていた事がある
今日はそれを実行に移すと決めた日
しょおくんの卒業の日


俺は人が苦手な事もあって、誰かに対して執着したり独占したいと思った事はなかった
だけど、しょおくんだけは違った

モテモテのしょおくんだから卒業間際になるとラストチャンスと思い告白される事が増えた

しょおくんがそれに返事をする度に不安になった
だって、やっぱり俺は男だし………

あれ以来、お風呂に一緒に入ったり同じベットで寝たり、それなりの行為もした
だけど、しょおくんは最後までする事はなかった

なんで?って聞けば

「潤が大事だから」とか
「ゆっくりでいい」とか
そんな理由ではぐらかされていた気がする

それが嘘ではない事はよくわかっているけど、やっぱり不安な気持ちは消えなくて、どんどん自分の心が独占欲に埋まっていく





「……しょおくん…今日、一緒にお風呂入ろう…」

家に帰って一息ついてそう言った

「いいよ、もう朝だしな。2人でちゃっちゃと入っちゃおう」

いつも通り2人で着ていた服を脱がし合う
その間に湯船にお湯は溜まっていく

チュッと軽くキスをしてからシャワーを浴びるしょおくんの背中に思い切って抱き着いた


「ど、どうした、潤?」

「…しょおくん……好きだよ」

「うん、俺も好きだよ」

しょおくんの腰に廻した俺の手をそっと握ってくれる

「……しょおくん………して……」

「潤?」

しょおくんが俺の方に向こうとしているのを必死に抵抗した
顔見てなんて言えない……


「しょおくん………最後まで………し、したいの」

「潤、どうした?何かあった?顔、見せて」

俺は首を横に振る

「潤…焦らなくていいんだから」

「あ、焦ってないっ!」

「じゃあ、どうして急にそんな事言うの?」

「……しょおくん………モテるん……だもん……」

「はぁ?!」

「しょおくん、モテるから不安なんだもん。やっぱり男だから出来ない?したくない?
俺じゃ、しょおくんは満足出来ない?する価値ない?
しょおくんは一緒にいるだけでまんぞっ………」

力任せにぐるりとしょおくんの身体が俺の方を向き抱き締められた

「もう、煽るなよっ!そんな可愛い事言われたら我慢出来ないだろっ!」

更にギュッと抱き締められる

「とりあえず、冷えてるから湯船入るぞ」

「……う……ん」



一緒にバスタブに入って後ろから抱き締められる
今更ながら自分の発言が恥ずかしくなる

「し……しょおくん?」

ゆっくりと後ろを向くとしょおくんと目が合った

「潤、俺も潤と最後までしたいよ。
潤を俺だけの物にしたい。本当にいい?」

「……うん」

「でもさ、こればかりは男同士、事前準備が必要だからさ」

「あっ、あのねっ………勉強?した」

「はいっ?」

「ネットで調べたり、かずに相談したりして準備はして………ある

俺はシャンプーが置いてある棚を指差した
そこには男同士の必要な物を昼間のうちに置いておいた

恥ずかしい
穴があったら入りたい

しょおくん引いた?

しょおくんの顔を見上げると、困ったように眉を八の字にして俺の頭をわしゃわしゃと撫でる


「じゅーんっ、なんて可愛いやつっ!」