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「ただいま………」

玄関を開ける音がして、潤が帰ってきた

早くないか?
確か今日は夕方まで講義が入ってるはず
体調崩したか?

慌てて部屋から出ていく


「おかえり」

「し、しょう……お…さん、た、ただいま…」

ん?顔赤いな
俺は潤に近付いて額に手を当てる

「あっ………」

俺の手を振り払うように下を向いてしまう潤

「どうした?熱、あるのか?」

「い、いや……なんにも………ない…です…」

「なんにもなくないだろ?帰ってくるのも早いし」

「……休講……になって…………」

「でも、顔赤いし様子も変だし」

俺は潤の顔を上に向けて目を合わせる

さらに顔が赤くなる

「し、しょおさんっ!部屋にい、行きますっ!」

「お、おいっ!潤!」

いつもなら手洗い、うがいを忘れない潤が一目散に部屋に入ってしまう
君付けにも慣れたのに、『さん』になってるし

どうした?

「じゅーん?」

ドアをノックするが返事がない

「潤?どうした?開けてもいい?」

一応、断りを入れてドアをそっと開けると上着も脱がずにベッドに潜る潤がいた

「潤?」

ベッドの横に膝まづいて布団の上から潤の背中を撫でると、ビクッと反応した

「ほんとどうした?体調悪いなら隠すなよ。どっか痛いのか?潤?」

「……しょお……くん………」

「ん?」

「……このまま……このまま聞いてくれる?」

背中を向けたまま答える潤

「いいよ。このままな。」

しばらく沈黙があった後の潤から衝撃的な一言

「しょおくん……女の人が……好き…なの?」

「はい?まぁ、嫌いではないけど」

「だ、だよね………俺……男だし……」

ん?おかしな話になりそうだな

「今日、かず達に聞いた。しょおくんの武勇伝。
ごめん……俺が男だから……ごめんなさい」

「ち、ちょっと待てっ!」

ニノの奴、何を言ったんだ?

「なんの話だよ?潤が男なんて初めからわかってるし、なんで謝る?」

「…しょおくん、モテモテで……そうゆう事、男の俺じゃ無理……だか……ら」

「そういう事って、こういう事?」

俺は潤を布団ごと抱き締めた
布団から少しだけ覗く潤の頭にキスをする
ふわふわの髪の中に鼻を擦り付け、何回もキスをする

潤の強ばった身体が少し緩んだのを見逃さず、くるんと潤をこっちに向ける

「潤?聞いて?」

僅かに頷く潤

「ニノに何を言われたか、なんとなく想像つくけどさ、潤としたくないなんて事はないよ。
女だから男だからじゃなく、潤だから好きだし、キスしたいし、なんならその先もって思う」

「……で、でも……しない……」

もう、なんて可愛いのさっ!

「潤が大切だから、今までみたいにとりあえずってのはしたくない。って、今までの人には悪いけどさ。
ちゃんと2人の気持ちが同じ時がいいんだ。」

「しょおくん………」

「俺さ、潤と初めてキスした時、最高に気持ち良かったんだよ。気持ちが通じあってするキスって違うんだなって思った。今までだってそう思ってキスしてたはずなのに、全然違ったんだよ。
だから、それ以上もきっと潤となら気持ちいいと思うけど………」

「けど?」

「潤の気持ちがちゃんと追い付くまではと思ってて……あぁー、恥ずかしいっ!」

「しょおくん?」

布団の中からの上目遣い
反則だろっ

「だからっ!」

潤にキスをする
始めから舌を入れ、潤の舌を誘い出し絡める
頭を強く抱きさらに奥へ、奥の奥まで

「んっ……」

合間に漏れる息も逃さない様に隙間なく

「……し、しょ……んっ」

俺を呼ぶ声も飲み込みきれない唾液も逃さず

「ふっ……んっ…」

かくんと潤の身体から力が抜けるのを合図に唇から首筋、耳に舌を這わす

布団を捲りあげ、上着を脱がしてシャツの裾から手を入れる

「潤……」

荒くなっている息遣いにさらに煽られる
目を合わせながら背中から手を這わせ素肌に触れる

初めて触れる潤の素肌

気持ちいいな…………

撫でる度にぴくっと反応する潤が可愛い

「潤?大丈夫か?」

「…し……しょお…………さん、だめ……かも」

火照った顔に半開きの口

可愛いうえにエロいなんて………

最高だぜっ、じゅーん!