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今、俺の前にはまさに仁王立ちの姉ちゃん


「じゅん…全くもう、あなたって子は無理ばかりして!かずから連絡もらって、おじさんもおばさんも一緒に行くってきかなくて、旅館の方もあるからって、なんとか納得してもらってきたんだからね!」

「…はい、ごめん。姉ちゃん……」

「かずにもお友達にも迷惑かけて、もうっ!」

「すみません…………」

「じゅん、みんなあなたの夢の為ならと思ってるし、頑固な性格も知ってるから、一人暮らしを許したけど、諸手を挙げて大賛成なわけじゃないのよ?わかってる?」

「はい………」

「あなたの心や身体はじゅんのせいじゃないし、じゅんにばかりそんな負担を抱えさせて、情けないくらい悔しいけど、でもね………じゅんを失いたくないのよ………だか……ら……」


姉ちゃんの震える声が聞こえた


「姉ちゃん、わかってるよ…わかってる。」



しばらくして落ち着いた姉ちゃんと俺のアパートに向かう


「そういえばさ、かずの彼氏には驚いたわよ~」

「相葉さんに会ったの?」

「うん、素敵な人ね。まぁ、かずはその辺の女の子の手には負えないと思っていたから、あの人で良かったのかもね。
かずらしいわよ。」

「姉ちゃんはさ……」

「ん?」

「姉ちゃんはそういうのってなんとも思わないの?」

「そういうの?」

「うん、かずと相葉さんみたいな関係って…」

「あー、そういう事ね。びっくりしたけどね、あんまりにもかずが幸せそうだから、不思議となかったわねー。
じゅんは嫌なの?」

「ぜっ、全然嫌じゃないよ。応援してる。」

「あっ!」

「な、なにっ?」

急に大声を出したと思ったら、くすくすと笑い出した

「櫻井さんがね…」

「しょ、しょうさんがっ?」

姉ちゃんからしょうさんの名前が出て動揺した

「いい人ねぇ~~~~って話よ。」

「へっ?………そ、そうだね。」

意味深な笑いを残しつつ、アパートに寄って荷物を片付けると、旅館の方があるからと早々と帰って行った



アパートの自分のベットに横になる

久しぶりにベットに寝た気がする

そんな風に思うほど寝てなかったんだと思うと、自分の体調管理の甘さを反省した

「あっ、かずに連絡しなきゃな。しょうさんにもした方がいい…よね?」

俺はかずとしょうさんに退院の報告と感謝を伝えるLINEをすると、そのまま夢の中におちていった