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一瞬だった
衝撃音が耳に届いた瞬間、心臓が鷲掴みされたように苦しくなり、息が出来ない
どんなに吸い込もうとしても、俺の周りだけ空気が無くなってしまったかのように
「じゅんくんっ?」
かずの声で意識が戻された
ぼやっと浮かぶ白い天井と消毒液の匂いがここが病院だとわかる
「…か………ず……」
「はぁ、良かったー。」
「…ごめん」
「ほんっとに、もう~~~~。しょうさんから連絡きて慌てて来たんだからな!」
「うん……」
「姉ちゃん、さっきまで居たんだけど、旅館の方投げ出してきちゃったし、じゅんくんも落ち着いてるからって帰ったよ」
「はぁ、迷惑かけちゃったか」
「次、こんな事になったら一人暮らしは辞めさせるって、激おこよ。」
「だよねー」
「発作、よくおこしてたの?」
「いや、すっげー久しぶり。ここんとこ、寝てなかったからなぁ。」
「それだけならいいけど。
しょうさんと雅紀が意識戻るまでいるってきかなくて、まだ病院にいるんだけど入ってもらう?」
「しょうさん、いてくれたんだ…」
「もう、大変よっ、あの人。いつも冷静で帝王とまで呼ばれてる人があの慌てふためく姿。使い物にならないしさ。」
「ふっ、見たかったな。ってか、また迷惑かけちゃったな。」
「とりあえず、呼んでくるから。先生もね。」
「うん。お願い。」
一定のリズムで落とされる点滴をみながら、ため息しかでない
「大丈夫ですね。落ち着いてます。今夜はこのまま入院して頂いて、明日の午後には帰って大丈夫ですよ。何かあったら、すぐ呼んで下さい。」
そう言って先生は部屋を出ていった
先生と入れ替わりで、かずがしょうさんと相葉くんを連れてきてくれた
「心配かけてすみません。」
「じゅんちゃーん!良かったよぉ~~~~」
相葉くんに抱き着かれた
「あいばかっ!離れなさいよ!じゅんくんはまだ病人!」
べりっと音がするんじゃないかという勢いで剥がされた相葉さんの後ろにしょうさんの姿があった
「じゅーん、焦ったー。良かったー。はぁ、良かった~~~~~~」
「また、ご迷惑おかけしてすみません。」
「迷惑なんかじゃないよ。大丈夫。気にするなよ。」
そう言って、俺の頭をわしゃわしゃと撫でてくれた
その手の感触に倒れる直前のしょうさんの感触を思い出した
「ん?潤?顔、紅いぞ?大丈夫?調子悪くなっちゃった?潤?」
「だ、大丈夫です。ね、寝ますっ!」
あまりの恥ずかしさに、どうしていいかわからなくなった俺は布団をすっぽり頭まで被った