風邪を引いて、今晩と明日の外出はあきらめたので、その代わり、寝る前の癒しにと思って、羽生選手のオータムクラシックでのFSをもう一度観ました。

 

羽生くん、確実に進化しているね。

 

 

昨日、気になってあるブログを見ました。

 

2012年の世界選手権FSであの旧「ロミ・ジュリ」で熱烈なファンになったのに、近年の羽生選手の演技を見ていてだんだん醒めてしまって、気に入らなくなったのか、それとも葛藤しているのかわからないようなフィギュアスケートのファンの方のブログです。

その方は、その旧「ロミ・ジュリ」とか2015年の国別対抗戦EXでの「パリ散」とか、ブワーーっとアッつくなるような演技が好みで、最近の羽生選手の演技に失望してきているようなんですね。

 

そこにはそのブロガーさんのことばに賛同してコメントを書き込んでいる方がいっぱい来ているのですが、

羽生選手のこの新FSについての見方はどうかというと、衣装が「悲愴」に似ているので回帰願望だと言う方や、演技が無難路線で音楽のインパクトも弱くて、物足りなさを感じたという方が多かった。

大震災を体験した彼の思い、大自然への畏敬の念のことを感じるという方も居ました。でもその方も、SPの衣装のことなど、けっこう皮肉っぽく書いていました。皆をアッと言わせたかったのだろう、その意味では大成功だった、とか。

 

そんな書き込みを見ていて、私としてはもちろん気持ちが良いわけない。でも、内心、ムカムカ感じながらも、そういうところを見ることは、私けっこう好きなんです。

 

なんでもかんでも羽生選手のことを絶賛するのは、盲目的で罪なことだと思ってる。好きじゃないんです。

良いは良い、悪いは悪い。という眼で羽生選手の演技を観ていたい。そのほうがちゃんとした応援になってるかなと。

 

腕がブン回しになってるぞ~

横への(上体の)動きが足りないぞ~

緩急をつけろ~

 (ステップシークエンスのところです)

 

・・・といろいろ感じながら、この2、3年、彼の演技を観ていました。

ただ、彼は今ジャンプやステップの難度を上げることに重きを置いていると思うので、私の感じているイマイチのところは、いずれクリアされていくんじゃないかなと、思っていました。

 

そうしたら、昨年出演したNHKの「あさイチ」で、腕の振りに気をつけていることを彼は語っていて、「バラいち」でのステップでの腕のブン回しがなくなっていきました。

そして、今季のプログラム、「ホプレガ」では、上体の動きが昨年よりもとても良くなってました。(考えてみると、今年8月に出演した「24時間テレビ」での「ホワイト・レジェンド」の時の演技も、すでにそうだった・・・にこ芽110/27追記)

横への動きが出てきたからでもあるのでしょうが、もう一つ私が着目してしまうことがありました。

 

丹田、です。

羽生くん、ついに捉えた!!

・・と思った。

 

羽生選手は、手の先指の先まで神経の行きわたった、美しい動きができる選手です。それはもう、ゾクッとするほどの。

 

けれど、アイスショーやエキシビションの演技などで感情移入が強くなると、たとえば猫背ぎみになる時があり、演技の力を籠める先が、体幹軸の中心とブレードの氷との接点の中心を結んだ線からズレてしまうため、彼の美しさが半減してしまうな・・・と感じていたんですね。

これがズレないようにするには、彼に、一つ意識してほしいことがあるな、と。

 

そう、丹田です。

 

丹田から出て、丹田に還る・・・

 

演技での力の向けどころ、手の先、指の先への、力の出どころ。

 

羽生くんにはそれができているところも当然いっぱいありました。彼は、ジャンプやスピンのところでは完璧に丹田を捉え切ってきているのですから、不可能ではないなと思った。でもいつ頃に改良されるかなと思って見ていたら、・・・なんてことない、今シーズン、のっけからいきなりクリアしてきたなと、感じたものですから、もう、びっくりしました。


どうも、トレーシー・ウィルソン先生が、私が感じていたのと同じような点を、トレーシー先生のほうがプロですので、私のようななんとなくではなく、もっと明確な理論づけで、羽生選手の演技にテコ入れしてくれたことがわかりました。

 

トレーシー先生は丹田を通すという表現はしてませんでしたが、ブレードと氷との接点の力点と背筋を繋いだ線が直線に繋がることで、無駄な力がなくなるので、羽生選手の体力消耗の問題を助け、しかも、基礎的な部分がさらにレベルアップし、まだ完全ではない足によるジャンプの安定性をあげることができる(フリ―レッグに留意する指導のことだったかも10/31追記)ということを説明した記事でした。

 

腕を差し出す時、上体をひねる時、おなかの底、おへそのところをちゃんと通って力が出ているような演技をしている。柔らかいながらも、より強さが出ている。進歩したなあと思いました。今シーズンの演技、すごく楽しみに感じてます。

あの葛藤しているブロガーさんも、演技を見て、しゅてきです、と言っていたもんね。はーとニコ2ヤッタ-

 

あとは、緩急とか、がついてくると、誰にも文句言わせないくらいになれるぞ。芽1にこ

 

 

さて、ここまでの話は、観戦する側の、演技の表面だけを見て云々する話であります。

 

初めのほうで触れた、羽生選手のファンなんだろうけど葛藤しているブロガーさんとその常連さん?方々、羽生選手の演技への評価(というより酷評かな)を読んでいますと、それを演じる羽生くんの内面に触れる人がほとんど居なかったんですね。

 

東日本大震災で被災して、その後、今日まで辿りながら、彼が心の中に支えとしてきたもの、そしていま彼が何故あんなに、体をボロボロにしてでも頑張ろうとするのか、その心情を伝える情報をあまり知らない方々なんだなと、思いました。

 

だから、私、むかむかする思いがほんの少しありますけど、知らないで語っている方々なので、ああ、知らないんだなあ、と。

羽生くんのように極々自然な成り行きで、こんな深くて大きいテーマを持って演技するスケート選手なんて、これまで居なかったのですから、観る側が自ら進んで羽生くんの心を感じようとしない限り、知りようもないんですよね。

 

残念だけれど、仕方がない。

そして、その葛藤しているブロガーさんが、羽生くんのココロをいまいち感じていなくても、以前の羽生くんに感じたアッツイものを、また感じて、感動できたらいいなと、思いました。

 

羽生くん自身は、ずっと熱いままだからね。

少年のようにひたむきな、のびやかな心も、彼は失ってなんかいないよ、まったく。

そう思うものですから。芽ニコ2

 

 

 

 

 

 


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