第11話*小説『冬のカケラ』 | jun2980さんのブログ

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       第11話


インターネットで「コウゲンビョウ」と検索すると「膠原病」と変換されて、それに関する見出しがたくさんヒットした。

僕はとにかく、「膠原病」という病気がどういうものか知りたかった。

しかし、どの記事を読んでも、容易に解らなかった。

しかも、膠原病とは、病気の一種ではなく複数の病気をまとめた総称だということだ。

種類として「関節リウマチ」「全身性エリテマートデス」「強皮症」などあったが、関節リウマチしか聞いたことがなかった。

萌子さんはどの病気なのだろう。

皆目見当がつかない。

膠原病は1942年にクレンペラーという学者が見つけて、名付けたらしい。

まだ70年の歴史しかない病気なのだ。

だが、そうであっても、未だに原因が特定されていない。

だから、治療法が確立されていない


原因を排除するのではなく、症状が現れるのを抑制するしかないということだ。

僕は萌子さんを哀れんだ。

決して、同情を寄せたわけではない。

こんなにも、僕は萌子さんを愛おしんでいる。

僕は喉が渇いた。

部屋の中が暖房が効き過ぎているのもあるが、今もって、萌子さんへの愛情を自分自身で認めてしまったことが苛まれた。

パソコンの机から離れると、
キッチンに行った。

冷蔵庫の扉を開けた。

ビールがない。

僕はサイダーのペットボトルを取り出した。

食器棚からゴブレットを手にすると
氷を入るだけいっぱいに入れた。

サイダーを注ぐと、僕はそれを一気に飲み干した。

冷たさが食道を通って胃の中に落ちていく。

僕はダイニングテーブルの椅子に寄りかかった。

しばらくして、溶け始めた氷塊と氷塊のぶつかり合うカランという音がした。

とたんに、僕は頭を左右に振った。

その音で、実亜を思い出したのだ。

実亜はこのカランという音を聞くと、「氷には音楽の才能がある」と
言ってはしゃいだ。

僕は実亜を裏切ってはいけない。

僕に頼りきっている実亜を。

それに…もしかしたら、僕は20年前の萌子さんの幻影を追いかけているだけなのではないのか。

僕は現在の萌子さんを直視していない。

ーー何をやっているんだ、僕は。

揺れている自分が疎ましかった。


携帯電話のメール音が鳴った。

実亜からだった。

「蕁麻疹の皮がボロボロと剥けてきているよ。プレドニンの量を明日から減らしていくって」

可愛い絵文字を入れて書いてある。

「萌子さん…」

その文字に僕はめまいを覚えた。

実亜と萌子さんが友達になって付き合っていくということは、間接的に僕も関わることになる。

僕はため息をついた。

「萌子さん、不倫の相手が今でも忘れられなくて好きなんだって」

僕は頭を抱え込んだ。

機会を見つけて、萌子さんと話し合おう。

真剣にそう思った。

萌子さんはふざけているのか。

僕の心を振り回す萌子さんが恨めしかった。
 
           続く

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

コメントをいただけると嬉しいです
。 

          愛川るな


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