悲しい色 | jun2980さんのブログ

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昨夜、廊下で「帰る」と、言い張る男性患者の声が聞こえてきました。

私達の部屋の6人は緊張した空気に包まれました。

その患者さんは廊下を這っていました。

右膝下から脚がありませんでした。

私服のGパン姿になって、荷物を抱えて這いずりながら移動していました。

ちょうど、私達の部屋の前で、その場面が繰り広げられていました。

女医さんの泣きながらの説得の声と男性患者の苦情が入り混じって、押し問答が続いていました。

内容は分かりません。

だだ、男性の患者さんに悲しい感情が宿っていたことは間違いないでしょう。

女医さんも然りです。

男性患者の年の頃は50代でしょうか。

別に暴れているというわけではありません。

でも、明らかに一人では帰れそうもない状態でありながら、「退院する」と、言って這っていく姿は悲しい色でした。

やがて、看護師3人がやってきて、
説得にかかりました。

一人の看護師も泣き出しています。

そして、その中のベテラン看護師が
「今までこんなに頑張ってきたのに何を言っているの?!」
と、大変な剣幕で言い放ちました。

「ほら、車椅子に乗りなさい!部屋に戻るよ!」

しかし、男性患者は抵抗して乗ろうとしません。

若い看護師が「お願い。お願い」と
繰り返していました。

でも、ベテラン看護師が言い続ける厳しい口調が効いたのか、男性患者は車椅子に乗せられて、部屋に戻りました。

どのような内容なのか分かりません。

一見、男性患者がだだをこねているように見えます。

何か事情があったにせよ、男性患者の態度は良くありません。

でも、誰も悪くないよね?

確かに男性患者により、女医も看護師も他の入院患者も、ストレスを与えられたかもしれない。




悪くないよね?




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