第25話小説『私は私~I can be me.~』 | jun2980さんのブログ

jun2980さんのブログ

 何にでも興味をもっています。今、ミステリー小説の連載中です。また、韓国ドラマ、良い加減料理や難病の膠原病をテーマに写真なども載せながらつぶやいています。皆さんのペタやコメントが励みになります。どうぞよろしくお願い致します。



      第25話


なっちゃん、びっくりしたでしょう


大丈夫?

でも、安心して。

それは久保先生の虚言だったの。

その話しは、今年の春に言ってきたのよ。

美奈子がパニック症候群の診断を受けたのは、昨年の春。

だから、それが原因で死にたがっていたわけではないの。

でも、拍車がかかったのかも知れない。

そもそも、パニック症候群の原因は伸輔さんが釧路から、帰って来るのが突然なので、だんだんそれが、重荷になってきたらしいの。

伸輔さん、機嫌が悪いから。

美奈子のお父さん、あ、なっちゃんと賢ちゃんのおじいちゃんだけど、その、おじいちゃんも機嫌の悪い人だったの。

なっちゃんの小さい時に亡くなったから、なっちゃんは覚えていないわね。

私は、高校時代に一、二度、会ったことあるけれど、他人には愛想が良かったみたい。

私が美奈子の家へ遊びに行った時、
そんなに悪い印象を持たなかったの。

だから、美奈子にそう言ったら、他人には愛想がいいんだって、美奈子も言っていたわ。

でも、家族には機嫌が悪かったみたいね。

いつも、眉間にしわを寄せてにらみつけていたんですって。

それに美奈子、暴力も振るわれていたみたいなの。

でも、そんな家庭環境でも、美奈子はとても明るくてチャーミングな子だったわよ。

どっちかと言うと、お姉さん肌でみんなに頼られていたわね。

美奈子、文を書くのが上手で、よく友達から頼まれて、ラブレターの代筆をしていたわよ。

なっちゃんが文学部へ行ったのも、美奈子の血筋ね。

でも、美奈子はお父さんから受けたDVがトラウマになっていたの。

美奈子は明るい性格だったから、自分でも気が付かなかったのだけど、
心の底にやはりお父さんから受けたDVが過去の葛藤だったのね。

だから、20歳の時、医者になったばかりの伸輔さんと知り合って、直ぐに結婚したの。

伸輔さんはその頃、機嫌が良い人だったのよ。

そうね。ずーっと、機嫌の良い人だったわ。

釧路に転勤になるまではね。

なっちゃんはそのことは知っているわよね。

ただ、あなた達に勉強のことは厳しかったけれどね。

特に、賢ちゃんにはね。

賢ちゃんには自分と同じ、医者になってほしいという、期待があったから。

美奈子は伸輔さんと知り合って、安らぎを覚えて家から、逃げるように結婚したの。

美奈子のお父さんとお母さんは、仲が悪くて喧嘩ばかりしていたらしいの。

美奈子、高校時代からよく言っていたわ。

早く家を出たいって。

美奈子は伸輔さんに出会ったことで
、伸輔さんの良き理解を得て、なっちゃんや賢ちゃんといういい子にも、恵まれて幸せだったの。

独り身の私からしたら、うらやましかったわよ。

でも、2年前のある日、釧路から帰ってきていた伸輔さんの前で、
美奈子がしょう油瓶を落として、割ったらしいの。

その時、伸輔さん、眉間にしわを寄せて睨みつけたらしいの。

そしたら、お父さんとの顔とだぶってしまい、何とも言えない恐怖感が襲ってきたらしいの。

胸が苦しくなって、呼吸も苦しいって、美奈子から電話が来て…

夜も眠れないって。

だから、精神科の受診を勧めたの。

美奈子の場合、やっぱり、お父さんのDVに原因があったのね。

伸輔さんが良き理解者だったのに、
その伸輔さんがお父さんと同じ顔をしたと、いうことにとてもショックを受けたの。

要するに、伸輔さんにしがみついていたことによって、お父さんのトラウマが実は固定してしまっていたらしいのね。

難しいわね。

人の心っていうものは。

美奈子から、電話がきて、よく言っていたわ。

何をやっても楽しくないって。

人生、楽しいことばかりではないわ。

でも、悲しみの中にあっても、ちょっとしたことに、楽しみを感じることができるのが、人間なのよ。

だから、生きていける。

だけど、楽しみを感じなくなったら
、死にたくなるのよね。

そして、賢ちゃんも変わっていった


賢ちゃんの不登校を美奈子は、自分のせいだって、泣いていたわ。

賢ちゃんがふるう暴力にも、美奈子はパニック発作が起きていたの。

それで、伸輔さんが学校に行って、
担任の久保先生に相談したの。

しばらくして、久保先生のストーカーのような行為が始まったのだけど、伸輔さん受け入れてしまうの。

         つづく

最後まで読んでいただき、感謝いたします。





人気ブログランキングへ