ピーポー !!ピーポー!!
え?何??
花パレードを見に行く途中、遠くから何やら面白い音がした。
聴き慣れないが、どこかで聞いた事があるような音。汽笛??なぜ?どうして?
そんな事を考えていると、周りの人々が、ザワザワし出し、皆 同じ方向へスマホやカメラを用意して歩き出した。
何だろう? 好奇心の塊の私も人々に連なって歩いた。おお!!線路に行き当たった。
「あのー、何が、始まるのですか?」
間抜けっぽいが、近くにいた男性に聞いてみると
「蒸気機関車だよ。ホラ、あっちに煙が見えるだろ?」と、線路のずっと向こうを指差した。
ああ!!本当だ!煙が、微かに見える!!
何でまたこのご時世にいきなり蒸気機関車??
“花電車”として、広大な花畑を突きっている線路にこの日だけ、蒸気機関車を走らせ、乗客の目を両側にずっと広がる花で楽しませるイベントだった。
そうか、花パレードという年に1回の春のイベントの日だったからか。
そうこうするうちにそのくろがねの大きな乗り物が、近づいて来た。
ピーポー ピーポー と 「こんにちは!ボクを見て 見て!」と汽笛が、鳴った。
うわー 凄い煙!
だけど、何か かっこいい。
“くろがねの勇姿”日本の「鉄ちゃん」は、そう言うらしい。
乗ったことはないし、見たのもTVでしかないその大きくて長い機械の乗り物は、不思議と「生き物」のように見えた。
力強くドッドッドッドと動いている姿に躍動感を感じた。
機械なのに機械じゃない 環境汚染も甚だしい煙を吐いているのにそれが、嫌じゃない。寧ろ 魅力的。おかしなもんだ。
レトロに酔っているわけでもない。
ただ ただ、あの逞しさ 「ボクは、生きている!」という「生命」の叫びみたいなものに私の心は、ワクワクさせられた。