屋敷に戻ってきたヨンは、
テマンから聞いた言葉に
背筋に冷たいものが走った。
そして、テマンの言葉を最後まで聞かずに
ウンスが眠っているという
部屋に駆け付けた。
その時、部屋の扉を開け
トギが姿を現した。
ヨンは、トギの肩をつかみ
ウンスの様子を確かめた。
『トギ!
どういう事だ?
何があった?』
ヨンの勢いに、一瞬トギは
後退りしたが、
肩に置かれたヨンの手を払い
手話で、ヨンを窘めた。
《大護軍!
静かに!!
今は、薬湯を飲んで
眠らせただけだ。
ウンスは、大丈夫だ。
ただ、疲れているだけだ。》
トギは、少しあきれ顔で
ヨンに告げると
大きくため息をついた。
《本当、ウンスの事となると・・・
サリと一緒に夕餉を用意してくる。
ウンスの傍にいてやれ。》
『そうか・・・
疲れが出た・・・だけ・・・か
良かった・・・
徳興君の毒が
まだ、あの方を苦しめているのかと・・・
トギ。
すまなかった。』
ヨンは、厨へと向かうトギに
声をかけると、
静かに、ウンスが眠っている部屋の中へと
入って行った。
トギには、ヨンの言葉は届かなかったが
ヨンの気配を背中に感じていた。
部屋の中では、
ウンスが、小さな寝息をたてながら
横たわっている。
その姿に、ヨンは
ウンスが戻ってきたことを
再認識させた。
そして、ウンスの亜麻色の髪を撫でる。
『確かに・・・
かなり、お痩せになっているな・・・
あの天門を、
1人、何度も潜り・・・
この高麗へと戻ってこられた・・・
並大抵なことではないはず・・・』
ヨンは、ウンスの4年間が
過酷な日々だったことに
胸が締め付けらた。
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ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun