Reincarnation ~輪廻転生~ 46 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


母上・・・

典医寺の母上のお部屋も
あの頃のままで・・・

時折、父上は、
典医寺の母上のお部屋に
足をお運びになっていました。

いえ、父上だけではなく・・・
王妃様も・・・

あのお部屋で、
母上と過ごされた時を
思い出されていたそうです。

時には、王様とご一緒に、
典医寺へとお越しになり・・・

そして、皇宮の彼方此方に
母上の面影が残っていると・・・

懐かしむような遠い眼差しで
ユリに話されていらっしゃったそうです。















康安殿。

ヨンは、典医寺から康安殿へ向かい、
王へ謁見を願い出る。

扉の前で、内官がヨンの訪れを
王へと告げると、すぐさま、返事が返ってきた。

「上護軍。
入りなさい。」

扉の向こうから聞こえてきたのは、
王妃の声だった。

王妃の声に、内官が一瞬不思議そうな表情を浮かべる。
しかし、すぐさまにその扉を開け、ヨンを通した。

『王様、王妃様。

恐れながら、急ぎ、お許しを頂きたいことがございます。』

ヨンは、王と王妃の前で、片膝をつき
頭を下げる。

「上護軍。
王妃から、話は聞いた。

辛い決断であろう・・・」

王は、ヨンに慈悲深い眼差しを向けながら
静かに話かける。

『王様・・・
王妃様・・・』

ヨンは、王と王妃の心遣いに
胸が熱くなる。

「上護軍。

お義姉様を、天界に・・・

高麗の地で、再び
お会いすることができなくなるかもしれません・・・

されど、お義姉様の病が治るのであれば・・・

上護軍・・・
それで、良いのですね?」

王妃は、ウンスとの別れの時が近づくことに
寂しさと悲しみで、胸を締め付けられる。
その胸の痛みを、懸命に堪えながら
ヨンの気持ちを確かめた。

『はい・・・王妃様・・・

あの方を一生お護りすると・・・
命ある限り、傍にいると・・・

その約束を違えてしまう事になります・・・

それでも・・・』

ヨンは、その先の言葉を紡ぐことが
心に重く、声に出すことが出来ない。

「上護軍・・・

今は、近隣諸国に、
怪しい動きもない。

故に、義姉君をお連れするがよい。

そして、家族水入らずで、
天門が開くその時まで
共に過ごすことを許そう。

上護軍・・・
もし、其方が・・・

いや、何でもない・・・」

王は、言いかけた言葉を飲み込むと
軽く頭を横に振る。

そして、ヨンにもう一度視線を戻すと
はっきりとした口調で告げた。

「上護軍。

急ぎ、出立の支度をいたせ。
時がないのであろう・・・?

心配は要らぬ。

皇宮も、開京も、
上護軍が鍛え上げた、
迂達赤と禁軍がいる。

安心して、義姉君との
残りの時を過ごすがよい。」

『王様・・・
有難きお言葉・・・』

ヨンは、深々と頭を下げ
感謝の思いを伝えた。
















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ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun