Reincarnation ~輪廻転生~ 45 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

母上・・・

私は、母上と過ごした
あのひと時に、
母上のお優しさが身に沁みました。

あのひと時、
母上は、母上がこの世を去られた後のこと
それを、私に託すために、
様々なお話をしてくださったのですね。

あのお話は、
母上が天門を潜られたあと
父上に、お話いたしました。

父上は、まるで、その場所に
母上がいらっしゃるかのように
母上がいつもお座りになっていた場所を
愛おしく見つめられ、
私の話をお聞きになっていました・・・










ヨンと入れ替わるかのように
ウォンソンが典医寺へと駆け付ける。

「チャン侍医様!
クァン先生!!」

ウォンソンは、典医寺へ着くと
大きな声でチャン侍医とクァンの名前を叫ぶ。

その声に、トギが、薬草室から顔を覗かせる。

《ウォンソン!!
静かにしろ。

ここは、典医寺だ。
他にも患者がいるんだ。》

トギは、大きな声を出したウォンソンを
窘めるように、手話で告げる。

「あ、トギさん・・・

すみません。
母上がお倒れになって
典医寺に運ばれたと聞いたものですから・・・」

ウォンソンは、トギの手話を読み解くと
素直に頭を下げる。

《ウォンソンの心配もわかる。

ウンスは、今、奥にあるウンスの部屋で眠っている。
上護軍が、迎えに来るまでの間
傍についていてあげろ。》

トギは、ウォンソンの素直な姿に
目を細める。

そして、ウォンソンにウンスの部屋へ行くよう
手話で告げると、再び薬草室へと戻って行った。

「母上の部屋・・・」

ウォンソンは、トギの手話の中にあったその言葉を
小さな声で繰り返すように言葉にする。

「ウォンソン。
少し、落ち着きましたか?」

慌てふためき、典医寺へと駆け込んできたウォンソンに
チャン侍医は、静かに声をかける。

「あ・・・
チャン侍医様。

お騒がせして、申し訳ありません。

それで、母上のご様子は・・・?」

ウォンソンは、チャン侍医に挨拶と詫びを含めて
お辞儀をすると、ウンスの容体を確かめた。

「ウォンソン・・・

時がきたようです。

今、上護軍は、開京を離れる為の
お許しをいただきに、康安殿へと向かわれました・・・」

チャン侍医は、悲し気な瞳で告げる。

「時が・・・きた・・・?

開京を・・・離れる・・・

それは・・・?」

ウォンソンは、チャン侍医の言葉に
嫌な予感を感じた。

「今、奥方は、休まれています。

奥方が目が覚める前に
ウォンソンにも、お話しておきましょう。

上護軍・・・
貴方のお父上は、
奥方を、天門へとお連れし、
天界へとお帰りいただくことをお決めになられました。

貴方もよくお分かりかと思いますが
奥方は、決して、天門を潜ることを望まれていません。

ですが・・・

奥方は、高麗の宝・・・
例え、高麗の地にそのお姿がなくとも
その命が、高麗の世の支え・・・となるのです。」

チャン侍医は、穏やかなそれでいて
悲しみを押し隠した声で告げる。

「父上が・・・母上・・・を・・・?

チャン侍医様・・・
母上は・・・母上は、このままでは
助からない・・・?

天界にお帰りになれば、
母上の病を治すことができる・・・

その為に、父上は・・・」

ウォンソンの瞳に、薄っすらと涙が浮かぶ。
チャン侍医は、ウォンソンの瞳に浮かぶ涙を
見とめながら、静かに頷いた。
















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun