Reincarnation ~輪廻転生~ 44 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

母上・・・

天門の丘へと向かう旅の途中。
色々な場所に立ち寄りましたね。

母上と父上が、出逢った場所・・・

母上は、何が起きたのかわからず
かなり戸惑われたそうですね。

そして、あの場所で、母上が何者かに攫われた時
父上は、身の中の血が凍る思いがしたと
呟くように、教えてくださいました。

その時には、すでに父上のお心に
母上がお住まいになっていたのだと
私は思っています。

それから、沢山の出来事があったと・・・
母上と父上が、懐かしそうに
お話されている姿を
私は、決して忘れることはありません・・・









チャン侍医が、ウンスの部屋を出ていくと
ヨンは、卓の上の薬湯を手に
寝台に横たわるウンスの隣に腰かける。

そして、薬湯を口に含むと
ゆっくりと、ウンスの唇に
自分の唇を重ね合わせる。

「・・・んんっ・・・」

苦いはずの薬湯が、
仄かに甘味を増す。

ヨンは、何度も薬湯を口に含み
ウンスへ口移しで薬湯を飲ませた。

そして、全ての薬湯を飲ませ終わらせると
深い口づけをウンスと交わす。

『ウンス・・・』

「ヨン・・・?」

深い口づけのあと、ウンスを見つめるヨンの瞳に
影が映し出される。

ヨンは、鳶色のウンスの瞳に移る
自分の姿に、心が映し出されないよう
そっと身体を離した。

『ウォンソンが来るまでの間
少し、眠ってください。

貴女が、眠りにつくまで、傍にいます。』

ヨンは、ウンスの亜麻色の髪を
そっと撫でながら告げる。

「ん・・・
そうね・・・

ウォンソンが来たら
私も、話をしたいことがあるし・・・

もう少し、休んでおくわ。」

ウンスは、ヨンの漆黒の瞳を
真っ直ぐに見つめながら告げると
ゆっくりと瞳を閉じた。







瞳を閉じたウンスを
ヨンは、なんとも言えない想いで
見つめていた。

そして、穏やかなウンスの寝息が
ヨンの耳に届くと、
静かに囁く。

『ウンス・・・

貴女との約束を
俺は、守れそうにありません・・・


一生、貴女を護ると・・・
傍にいると・・・その約束は・・・

今の俺には、あまりにも辛すぎます・・・

貴女の病が
天界に行くことで治るのであれば・・・

俺は・・・
俺は・・・』

ヨンは、穏やかな寝息をたてるウンスの
額に口づける。
そして、ある決意を胸に
康安殿へと向かった。


















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

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辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
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心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
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by junjun