Reincarnation ~輪廻転生~ 43 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

母上・・・

典医寺の母上のお部屋で
私は、全身の力が抜けるような
衝撃を受けたことを、

今でも忘れることが出来ません・・・

あの日・・・
父上の代わりに、母上のお傍に伺った時・・・
母上のお顔の色は、
とても、蒼白く・・・

私が、ファサラン公主様を娶り
屋敷を出た時よりも
とても、お痩せになって・・・

それでも、
母上は、私に微笑みかけてくれました・・・

そして・・・
全てを見越した上で
私に、色々なことをお話くださいました・・・










ヨンは、薬湯を飲むことに
難色をしめすウンスを、
愛おし気に見つめたあと、
窓の向こうにいるであろう、テマンに声をかけた。

『テマン!

迂達赤の鍛錬場に
ウォンソンがいるはずだ。

すぐに、こちらに来るよう伝えてくれ。』

ヨンの声に、窓の向こうから
テマンの声が返ってくる。

「はい!上護軍!!」

テマンは、窓の向こう、
兵服の袖で、目をごしごしと拭うと
いつもの元気な声を出した。




オイラが、泣いてちゃダメだ。
オイラより、上護軍の方が、
ずっとずっと、お辛いはず・・・

上護軍は、奥方様を
とても愛おしく想ってらっしゃる・・・

それが・・・
こんなことになるなんて・・・




テマンは、声にならない想いを
胸の中にぐっと堪えて、
迂達赤の鍛錬場へと駆けて行った。












テマンが、迂達赤の鍛錬場へと向かった後、
見計らったかのように、
チャン侍医が、薬湯を運んでくる。

「上護軍。奥方。
入りますよ。」

チャン侍医は、ウンスの部屋の扉の前で
一声かけてから、扉を開ける。

『侍医か・・・?』

ヨンは、扉に背を向けたまま告げた。

「はい。
奥方の薬湯を煎じてまいりました。

奥方も、目が覚めるころかと・・・」

チャン侍医は、ヨンに答えながら
寝台の傍へと近づいてくる。

ヨンの背中の向こう、
ウンスの寝台に視線を向けると
潤んだ瞳をしたウンスの姿が目に映る。

「奥方・・・
目がさめましたか・・・

では、この薬湯をお飲みください。
そして、今日は、上護軍とご一緒に
お屋敷に帰りになるよう・・・

フ・・・
この様子ですと・・・
無駄な助言のようですね・・・」

チャン侍医は、寝台に横たわるウンスの手が
ヨンの手を握りしめている様子に
苦笑をうかべた。

「え?
あ・・・はい・・・」

チャン侍医の言葉に、
病の為か、透き通るほど蒼白いウンスの頬が
仄かに桃色に染まる。

『侍医。

俺が迎えに来るまでの間
この方をよろしく頼む。

後ほど、ウォンソンが、こちらに顔を出す。』

ヨンは、ウンスの傍を離れがたく思いながら
チャン侍医に告げた。

「はい。
承知しております。」

チャン侍医は、卓の上に薬湯を置きながら答える。
そして、何かを思いついたかのように、
ヨンとウンスの顔を見ながら告げた。

「あ、上護軍。
ここを離れる前に
奥方に薬湯をお飲みいただくよう
頼みます。

私が飲ませて差し上げることは
出来ませんから・・・」

チャン侍医は、揶揄うようにいうと
ウンスの部屋を出ていった。




















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

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辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
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by junjun