Reincarnation ~輪廻転生~ 40 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


母上・・・

母上に
転地療養に行こうと
嘘をついてしまったこと・・・

どうか、お許しください・・・

きっと、天門の地へ行くと
母上に告げれば、反対されると
父上も、私も、皆がわかっていたのです。

故に、母上には、転地療養と
偽りを告げるしかなく・・・

それは、清廉潔白な父上にも
辛く、苦しい嘘だったのです・・・

でも・・・
今、わかりました・・・

きっと、母上は、薄々お気づきだったと・・・

そして、最後の最期まで
騙されてくれていたのだと・・・










『侍医・・・

この方には、内密に頼む・・・
きっと、心底嫌がるだろう・・・

だが・・・』

ヨンは、横たわるウンスの髪を
そっと撫でながら、苦し気に告げる。

「わかっています・・・」

チャン侍医は、ヨンの言葉に
短く答えると、ミョンウォルに、頷いてみせた。

「しかし・・・上護軍。

奥方のことです。
天門の地へ、向かうとなれば
恐らく断固と拒否をするでしょう。」

チャン侍医は、ミョンウォルに頷いて見せた後
静かな声で、ヨンに話しかける。

『ああ・・・
そうだろうな・・・

一生、護ると・・・

あの日、約束したのだから・・・』

ヨンは、ウンスに

求婚したときのことを

思い出しながら答えた。

「ですから・・・
奥方には、転地療養とお告げに・・・

そして、ご家族で、天門近くの屋敷へ
行かれるということに・・・」

チャン侍医は、ヨンとウンス、
そして、ウォンソンやフォンも
一緒に、天門の地へ向かうことを勧めた。

『いや・・・
それは出来ぬであろう・・・

ウォンソンは、迂達赤だ。
王様と王妃様・・・
それにファサラン公主様をお護りせねば・・・

それに、フォンは
西国から帰国して間もなき故、
典医寺での修練が残っているはず・・・』

ヨンは、子供たちの立場を考え
首を横に振った。

「されど・・・
今生の別れとなるかもしれないのです。

せめて、天門が開くその日まで
奥方とお子様方・・・
そして、上護軍と、穏やかな時を過ごしてください。

きっと、奥方もそれを望んでいるはずです。」

チャン侍医が、ヨンを説得していると
扉が開く音がした。

その音に、ヨンとチャン侍医、そしてミョンウォルが
扉に視線を向けた。

扉が開いた向こうには、
大きな瞳に、涙を一杯に溜めた王妃と
王妃を支えるように嬪宮のユリが立っていた。

 

「それは、まことですか・・・?
お義姉様のお身体は・・・」

「王妃様・・・」

王妃は、震える声で、ヨンとチャン侍医に問いかける。

『王妃様・・・

如何か・・・お心をお静めください・・・
そして、何も気づかなかったかのように・・・』

ヨンは、王妃の前に向き直り
頭を下げる。

「されど・・・
上護軍・・・」

王妃は、ヨンに言葉をかけようとするが
ヨンの握りしめた手が、

微かに震えていることに気付いた。

「上護軍・・・
わかりました。

私から、王様にお話をいたしましょう。

上護軍とウォンソン、ファサラン
フォン、そしてユリも一緒に
天門の地へと赴けるよう、

お許しをいただきます。」

王妃は、手巾で、目じりの涙を
拭うと、柔らかな声で告げた。





















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
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その際は、スルーをお願いします。

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by junjun