Reincarnation ~誕生・生まれし運命~ 34 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨリが寝屋へ向かったあと
間もなくチャン侍医が典医寺からかけつけた。

「ウンス殿。
安心して、お生みください。

貴女が以前話されていた
子を護り育てる道具を、

お持ちいたしました。」

チャン侍医は、陣痛の波を必死に逃すウンスに
落ち着いた声で告げた。

「チャ・・・チャン先生・・・?
道具・・・?

あ、保育器・・・

ん・・あ、ああーーー」

大きな陣痛がウンスを襲う。
ウンスは、ヨンの腕を力の限り握りしめた。

『ウンス。
もう一息です。

ほら、あの呼吸法です。』

ヨンは、ウンスを支えながら
呼吸法のことをウンスに教えた。

「う・・・ん・・・

ひぃーひぃーふぅー
ひぃーひぃーふぅー」

ウンスは、ヨンの言葉に
頷くと、呼吸法を始めた。

ヨンも、ウンスに併せて
同じ呼吸法をする。

「ウンス様。
その調子です。

次に大きな陣痛がきたときに
思いっきりいきんでください。」

ミョンウォルは、ヨンとウンスの
ピッタリとあった呼吸法に
目尻を下げながら言った。











何度目かの大きな陣通がウンスを襲う。
ウンスは、全身の力をこめ、いきむ。

「ウンス様!
もう一息です!

頭が見えてきました!

次の波で、もう一度思いっきりいきんでください!!」

ミョンウォルが、
ウンスの足元で、大きな声をあげる。

『ウンス!!
もう一息です!!』

ヨンもまた、ウンスを励ましながら
ウンスの額から流れる汗を拭う。

ウンスは、言葉なく、
ヨンの声に頷いた。

「ウンス様、
間もなくです。

ハナッ!トゥルッ!セイッ!!」

ミョンウォルの掛け声に合わせて
ウンスは、思いっきりいきんだ。

「はっんー!
うぅんーー
んんーーー!!」

ウンスの手は、ヨンの腕を
力一杯に握りしめた。

「フ・・・ギャァ~
オギャァ~」

少し、力のない産声が
寝屋の中に響いた。

「ウンス様!
上護軍様!

お生まれになりました。

男のお子様でございます。」

ミョンウォルは、取り上げた赤ん坊を
ヨンとウンスの前に連れてくる。

「あ・・・う・・・生まれた・・・」

ウンスは、力が抜け
ヨンの胸に寄り掛かるようにして身体を預け言った。

『ウンス・・・』

ヨンは、ウンスの胸に抱かれる
生まれたての男の子をみて、目頭が熱くなった。

「ヨン・・・
ありがとう・・・

貴方がいてくれたから
私、頑張れた・・・

それから・・・
ごめんなさい・・・

貴方や、ウォンソン、ユリの事を
忘れてしまっていて・・・」

ウンスは、生まれたての男の子を
抱きながら、ヨンに告げた。

『もう、良いのです。

こうして、貴女は、俺のもとに
帰ってきてくれました。

そして、こうして、
俺に新しい家族を与えてくれました。』

ヨンは、汗と涙でぐちゃぐちゃになっている
ウンスの顔を、手巾で優しく拭いながら言った。

そして、ウンスに抱かれる生まれたての
男の子の手にそっと触れた。

「ウンス様、上護軍様。
お子様のへその緒を・・・」

ミョンウォルは、小刀をヨンに手渡す。

『ウンス・・・
共に・・・』

ヨンは、生まれたての子を支えながら
ウンスと共にへその緒を切った。


















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
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その際は、スルーをお願いします。

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万が一そのようなコメントをいただきましても
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心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
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by junjun