Reincarnation ~誕生・生まれし運命~ 33 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


意識を戻したウンスは
既に始まっている陣痛に驚く。

「ど、どうして・・・?

まだ・・・早いわ・・・」

ウンスの動揺に、
ミョンウォルが、落ち着いた声で告げた。

「ウンス様。

既に破水なさっています。
そして、子の通る道も
十分に開いています。

どうぞ、このままお生みになってください。」

ミョンウォルは、ウンスの足元で
準備万端の態勢で待っている。

「え・・・?
で・・・でも・・・」




ここは、高麗・・・
現代と違って、早産だなんて・・・
保育器もなければ
最先端の技術もない・・・

こんな状態で、生んでも大丈夫なの・・・?




ウンスは、襲い来る陣痛の中
高麗での出産の難しさを考えた。

「大丈夫でございます。

もう、間もなく、
チャン侍医様も、こちらにいらっしゃいます。

高麗の医術の全てをかけて
お子様をお助けいたします。

私たちを信じてください。
そして・・・
お子様の生命力を信じてください。」

ミョンウォルの声は、
自信に満ちていた。

ヨンもウンスも、その声に
互いの顔を見つめあう。

『ウンス。

きっと大丈夫です。
この子は、俺たちの子です。

きっと、元気に生まれてきます。』

ヨンは、ウンスの背を支えながら
その手を握る。

「そうね・・・

ミョンウォルは、高麗一の産婆・・・
そして・・・高麗一の医官のチャン先生が
いらしてくれる・・・

ヨンも、一緒にいてくれる・・・

これほど、心強いことはないわ。」

陣痛に、顔をしかめながら
ウンスも、出産の覚悟を決めた。











ウンスが意識を戻してから
半時が過ぎる。

チャン侍医とクァンが駆け付け、
ウンスの出産に控えている。

そして、厨では、
ウンスの為に、クッパを
鍋一杯に作って、マンボ姐が
子が生まれる時を待っていた。

「ヨリ。
まだ、生まれないのかい?

ずいぶんと時間が経っているんじゃないか?」

「マンボさん・・・」

ヨリもまた、ウンスの出産が心配で堪らなかった。
それでも、産湯の用意などで、
慌ただしく、屋敷の中を動いていた。

産湯の準備が整い、
少し落ち着きが見え始めた頃。

寝屋から、トギが飛び出してくる。

《もう、間もなく生まれる。
産湯の準備は・・・?》

「はい。
準備できています。」

ヨリは、トギの身振り手振りを読み取り
返事をした。

トギは、寝屋の隣の部屋と
産湯を交互に指さす。

「わかりました。
すぐに、お持ちします。」

ヨリの返事に、トギは頷くと
産所と化した寝屋へと戻って行った。

その後を、ヨリが
他の使用人たちの力を借りて
産湯を運び始める。

「ヨリ。
アタシは、ここで
クッパを温めておくよ。

あ、それから、
生まれたらすぐに、チェ尚宮に
知らせに行くよう手筈は整ってるからな。」

マンボ姐は、ヨリの背中に叫ぶようにしていった。

ヨリは、少し身体を振り向かせると
言葉もなく、頭をさげた。


















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ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun