Reincarnation ~誕生・生まれし運命~ 29 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

坤成殿。

王と王妃は、沈痛な面持ちで
ヨンが来るのを待っていた。

「王様・・・

お義姉様のお身体が
心配でございます。

何故、お義姉様ばかりが
このような目にあうのでしょう・・・」

王妃は、今にも、その大きな瞳から
涙を零しそうになっている。

「王妃・・・

そなたが、そのように嘆いていてはならぬ。
そなたの暖かな心が
義姉君の助けになるはず。

間もなく、ここに、上護軍が参るはずだ。
ほら、涙を拭いなさい。」

王は、手巾を王妃にそっと手渡す。

「さようでございますね・・・

私は、高麗でのお義姉様の妹
私が、お義姉様をお助けしなければ・・・」

王妃は、王から受け取った手巾で
そっと涙を拭った。

「王様。王妃様・・・」

王妃が涙を拭って間もなく
扉の前から、チェ尚宮の声が届く。

「チェ尚宮か・・・?
二人とも、入りなさい。」

王は、詳しいことは聞かずに
ヨンとチェ尚宮を、部屋の中に入れた。









『王様・・・
突然の拝謁、お許しください。』

ヨンは、王と王妃の前で
跪き、突然の謁見を詫びた。

「詫びなどよい。

それよりも・・・
義姉君の様子はどうなのだ?」

王は、跪くヨンを
椅子に座るよう手招きをしながら言った。

ヨンは、王の手招きに
お辞儀をすると、音もたてずに
王と王妃の前に座った。

『はい・・・
僅かずつではありますが
記憶が戻ってきているようでございます。』

ヨンは、爪の先ほどの
ウンスの記憶の回復でも
良い兆しだと信じて告げた。

「そうか・・・

だが・・・
何故、このようなことになったのだ?
間もなく産み月であろう?

義姉君の身体は、大丈夫なのか?」

王は、隣に座る王妃の心配事も
王妃に代わり、ヨンに聞いた。

『はい・・・
あの方の身体については
典医寺より、クァンとトギ、
そして、ミョンウォルが診ております。

それ故、ご安心いただければと存じます。』

「クァンにトギ、そしてミョンウォルか・・・

そうか・・・
それならば、安心できる。」

王は、今にもチェ家に馳せ参じそうになっている
王妃に話しかけるように言った。

その言葉に、王妃もまた
漸く、安心の表情を浮かべた。

「それで・・・?

何か、わかったのか?」

王は、ヨンに厳しい眼差しを向けながら聞く。

『真相までは、まだわかりかねますが・・・
此方をご覧ください・・・』

ヨンは、ウンスのもとに届けられた書付と
国境の村で見つけた、役場の責任者と
皇宮の高官たちとの癒着の証拠を
王の前に差し出した。

「これは・・・」

王は、ウンスに届けられた書付を目にして
眉間に皺を寄せ、怒りを露わにする。

「なんという、卑劣な真似を・・・

して・・・
この書付と、この癒着の証拠が
何らかの関係がある・・・ということか?」

王は、ウンスに届けられた書付に続き
癒着の証拠の覚書を手にとり聞いた。

『はい・・・
国境の村で捕らえました
役場の責任者の男が
気になる言葉を漏らしたのです。

罪を逃れるための
妄言ではないことは確かでございます。

そして・・・
我が家に、1人の両班が
あの方に弟子入り希望の女人を連れ
訪ねてきたことがわかりました。

その両班の男というのが
スリバンからの知らせで
国境の村役場の男と
遠縁にあたるという事がわかりました。』

ヨンは、坤成殿に到着するまでの間に
スリバンから知らされた事実を王に告げた。















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
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その際は、スルーをお願いします。

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万が一そのようなコメントをいただきましても
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心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
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by junjun