ウンスの瞳から
大粒の涙がこぼれるのをみて
クァンとトギが慌てる。
そして、トギは、ウンスの隣に座り
細い肩に腕を回し
ポンポンとたたき、慰めた。
「ん・・・
ありがとう、トギ。
もう大丈夫よ。
いつまでも、めそめそしてらんないし・・
だって、母親なんだもの。
あの人が留守の間は
私が子供たちを護らなきゃ・・・」
ウンスは、トギに
涙を指で拭いながら言った。
《ウンス?
子供たち・・・って?
それに、あの人・・・って・・・?》
トギは、ウンスに向かって
手話で話かける。
「え?
子供・・・?
あの人・・・?
やだ、トギ。
何を言ってるの?
私には・・・
子供が・・・
あ・・・
どうして・・・?
確かにいたのよ・・・
この手に抱いて・・・
あの人と一緒に・・・
でも・・・
わからない・・・
あの人の姿は
思い出せるのに・・・」
ウンスは、自分の記憶が欠落していることに
混乱した。
「奥方。
少し、落ち着きましょう。
きっと、何か心に
引っかかるものがあって
奥方の記憶が混乱しているのだと思います。
大丈夫です。
貴女の夫君も
お子様たちも
貴女が元気になられれば
それだけで、十分だと思われますよ。」
クァンは、今にも
泣き狂いそうになっているウンスに
励ますように話すと、
居間の扉を、静かに開けた。
クァンが静かに開けた
居間の扉の前には、
ヨリが、心配そうな顔で控えていた。
「あ、あの・・・
奥様・・・?」
ヨリは、扉が開けられ
ウンスの姿が見えると
申し訳なさげに声をかけた。
「ヨリ・・・さん・・・
ごめんなさい・・・
心配かけてるわよね・・・」
「奥様・・・?
どうして、私の名を・・・?」
ヨリは、ウンスが、自分の名前を呼んだことに驚く。
そして、その呼び方が
ヨンと婚儀を挙げて間もない頃に
呼ばれていた呼び名だと気付いた。
「クァン先生・・・?
トギさん・・・?」
ヨリは、クァンとトギの顔を
交互に見ながら、名前を呼んだ。
「少し、記憶がお戻りになっているようです・・・
ですが、原因がわかりません・・・」
クァンは、大きく一度頷くと
ヨリの疑問に答えを告げた。
「さようでございますか・・・
ならば・・・
明日、旦那様がお帰りになられれば・・・
きっと・・・」
ヨリは、ヨンがウンスの心を
必ず救ってくれると信じた。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun