静かに間合いを詰め、
男たちが馬車に近づいてくる。
ヨンは、鬼剣をガチャリと強く握りしめる。
リュウも、剣を構え、その時を待ち構えていた。
その時。
少し離れた場所から
女人の叫び声が上がる。
「何をする!!」
その声に、馬車へ近づいてきていた男たちが
脚を止め、振り返る。
男たちが振り返り見た先には、
奇皇后に向かって、小剣で襲い掛かる
ソルファの後ろ姿が映る。
「奇皇后様を護れ!!」
男たちの一人が大きな声で
叫ぶと、一斉に男たちが駆け戻る。
『リュウ!!
ソルファを助けろ!!』
ヨンは、馬車の中のリュウに大きな声で叫びながら
ソルファと奇皇后のもとへ駆け出す。
「ソルファ!!」
リュウも、ヨンの声に、
馬車の中から飛び出してきた。
ソルファは、渾身の想いで
奇皇后へ小剣を振り下ろす。
寸前で、奇皇后は、ソルファの一撃を退け、
手刀でソルファが握る小剣を叩き落とす。
「ソルファ。
やはり・・・
あの高麗の男に情が移ったのですね・・・
両親と幼い弟妹を
人質にしていれば、
大人しく命令に従うかと思っていましたが・・・
仕方ありません・・・
始末なさい。」
奇皇后は、駆け戻ってきた男たちに
冷たい声でソルファの命を奪う命令を告げた。
男たちは、奇皇后の命令に
無言で頷くと、奇皇后とソルファの間に立ちはだかり
じわじわとソルファへと近づいていく。
ソルファは、奇皇后から手刀を受けた
右腕を庇いながら、後ずさりする。
ソルファが、数歩後ずさった時、
衣のすそを踏み、よろけ転ぶ。
男たちは、転んだソルファに
近寄ると、その剣を大きく振りおろした。
ソルファは、覚悟を決め
両の目をぎゅっと閉じた。
その瞬間、ソルファの頭上で
鋼がぶつかり合う、金属音が聞えてきた。
『ソルファ。
怪我は?』
金属音に続き、低く地を這うような声が聞えてきた。
ソルファは、そっと目を開けると
濃紺と黒の衣を纏い、
額には、三日月と星の刺繍を施した額当てをした
ヨンが、男たちの剣をはじき返していた。
「だ・・・だいじょう・・・ぶです・・・」
ソルファは、震える声を絞り出すようにいうと
背後から、リュウの声が聞えてきた。
「なんて無茶なことをするんだ!!」
馬車から飛び出したリュウが
ソルファを立ち上がらせ、その背に庇う。
『お前たち・・・
命が惜しければ、そのまま高麗から立ち去るがいい。
立ち去らぬというのであれば、
その命、奪うのみ!!』
ヨンが、ソルファに斬りかかってきていた
男たちに凄むように告げた。
「お前は・・・」
男たちは、目の前に立つ男の
いで立ちに、目を見張りながら身構える。
その様子に、背後から奇皇后が声を上げる。
「何をしているのです。
目の前にいるのは、
チェ・ヨンです。
その男の命を奪いなさい!!」
奇皇后は、ヨンの姿を見とめると
再び大きな声で叫んだ。
『リュウ・・・
ソルファを頼む。
俺は・・・
決着をつける。』
ヨンは、鬼剣を構えながら
リュウに告げると、
奇皇后とヨンの間に立ちはだかる男たちを
斬り倒して行った。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun