夕刻・・・
ヨンが皇宮から戻ってくると
ヨリがヨンに耳打ちをする。
「旦那様・・・
すぐに、奥様のもとに・・・
今日、紅巾の朱元璋から
文が届きました。
そこに、奥様とお子様方を
元の奇皇后が狙っていると・・・」
『何?!
わかった・・・』
ヨンは、、ヨリの言葉に
眉間に皺を寄せ、ウンスのもとへと
走って行った。
『ウンス・・・
只今、帰りました。』
ヨンが、扉の前からウンスに声をかける。
しかし、ウンスからの返事がない。
ヨンは、嫌な予感がして
すぐに扉を開けた。
『ウンス!』
扉を開け、駆け込んできたヨンに
ウンスが漸く気付く。
「あ・・・ヨン・・・
お帰りなさい、お勤めお疲れ様です。」
ウンスは、何かを考えこんでいたのか
すこし、呆けた顔でヨンを迎える。
『今日・・・
朱元璋から文が届いたと・・・』
ヨンは、鬼剣を壁に掛けながら
ウンスに話しかける。
「え?
あ、ヨリから、聞いたのね・・・
そうなの、これ・・・」
ウンスは、寝台の横に置いていた文を
ヨンに手渡す。
「奇皇后・・・
余程、私の事を恨んでいるのね・・・
でも・・・
私一人なら、
キ・チョルさんの仇として
恨まれても仕方ない・・・
けど・・・
子供たちには、何の罪もないのに・・・」
ウンスは、項垂れ、肩を震わす。
『ウンス・・・
大丈夫です。
必ず俺が貴女を護ります。
もちろん、俺たちの子供たちも・・・
どうか、落ち着いてください・・・』
ヨンは、震えるウンスの肩を
そっと抱き寄せる。
「ヨン・・・
ヨリやミョンウォルの前では
強がってみせたけど・・・
怖い・・・
怖いの・・・
子供たちに何かあったらと思うと・・・」
ウンスは、ヨンに抱きつき
その心の揺れを訴える。
『ウンス・・・』
ヨンは、ウンスの心の揺れを
受け止めるように、その細い身体を抱きしめる。
『安心してください・・・
高麗の間者については、
すでに目星をつけています。
後は、動かぬ証拠を掴めさえすれば・・・
此度の企みを阻止することが出来ます。
俺を信じて・・・
待っていてください。』
ヨンは、抱きしめたウンスの背を
そっと擦りながら、優しい声で告げた。
「ヨン・・・」
ウンスは、ヨンの腕の中で
漸く安心したような声でその名前を呼んだ。
ハン・サンソンに屋敷。
側室のソルファが、庭を散策している。
ふと、庭の大木の前で立ち止まり
その大木を見上げる。
「暫し、時が必要のようです。
されど・・・
雪が降る前に、片をつけます。
計画通り、峠にて待機願います。」
ソルファが大木に話しかけるように
元の言葉で囁く。
《気をつけろ。
上護軍に勘づかれては
動きがとりにくくなる。
あのお方がお前を見込んでの策だ。
何としても、事を為せ。
次は、3日後に来る。》
大木のどこからか
元の言葉で男の声が聞える。
ソルファは、静かに頷くと
何もなかったかのように
庭の散策を続けた。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun