ヨンは、康安殿をでると
迂達赤兵舎へと戻って行く。
兵舎の中の鍛錬場で
新人迂達赤の鍛錬を見ていたチュンソクに
顎で合図をすると
ヨンは、執務室へと向かった。
チュンソクは、ヨンの合図に頷くと
新人迂達赤の鍛錬をトクマンに任せ
ヨンの後を追った。
執務室の前で
チュンソクは、ヨンに声をかける。
「上護軍。
如何なさいましたか?」
『チュンソクか・・・
入れ。』
低く重い、不機嫌そうなヨンの声が返ってくる。
チュンソクは、康安殿でなにかあったと感じた。
『間もなく、アン・ジェもここに来る。
詳しくは、その時に話すが・・・
ハン・サンソンの調べが進んでいるか?』
ヨンは、眉間に皺を深く刻んだまま聞いた。
「はい・・・
しかし、あれから、何も出て来ず・・・
今は、ハン・サンソンの本願に
スリバンを向かわせ調べさせているところです。」
『そうか・・・
わかった・・・』
ヨンが、チュンソクの報告を聞いていると
執務室の扉が開いた。
「ヨン。
なんだ?急ぎの用とは?」
鍛錬をしていたのか
汗だくのアン・ジェが執務室に入ってくる。
『市井の見回りのことで
王命が下った・・・』
ヨンは、目の前にある椅子に座るよう
アン・ジェとチュンソクに目で促す。
アン・ジェとチュンソクは、
ヨンの執務机を囲むように椅子に座る。
ヨンは、重い口を開き、アン・ジェとチュンソクに
康安殿での話を説明する。
『さきほど・・・
ハン・サンソンが
王様に謁見を願い出た。
謁見の内容は・・・』
「まさか、
チェ家との縁談か?」
アン・ジェがヨンの言葉を遮り聞いた。
『ああ、そうだ・・・』
「しかし・・・
お前に側室など・・・
そんな考えを持つ両班が
まだいたとは・・・」
アン・ジェが呆れ果てた声で呟く。
『俺にではない・・・』
「は?
ヨンにではない・・・
それじゃ、ウォンソンか?
それともユリか?
いや
まだ、二人とも幼子だ・・・」
アン・ジェとチュンソクは
首を傾げながらヨンの言葉を待った。
『ウォンソンとユリでもない・・・
今、あの方の腹の中にいる子・・・にだ・・・』
「なんだって?!」
「なんと?!」
アン・ジェとチュンソクは
目を大きくして驚く。
「まだ、生まれてもいない子・・・
まして、男(おのこ)か
女(おなご)かも、わかっておらぬのにか?」
「一体、何を企んでいるのでしょう?」
『王様は、ハン・サンソンの申し出を
却下された。
しかし、昨日屋敷に押しかけ
今日、王様に謁見を願い出た・・・
それなりに切羽詰まっているのかもしれぬ。
よって、王様より、
迂達赤と禁軍の
市井の見回りを
チェ家の屋敷まで広げるようにとの
王命だ。』
ヨンは、王命の内容を
アン・ジェとチュンソクに伝えた。
「わかった・・・
禁軍は、任せろ。
其れよりも
奥方は、この事を知っているのか?」
『いや・・・
まだ知らせてはいない・・・が、
いずれ、話さねばならんだろう・・・』
ヨンは、ウンスに余計な心配事を
伝えなければならないことに
大きなため息をついた。

にほんブログ村
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
また、非難中傷されるような
辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
お返事もできませんし、
心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。
by junjun