Reincarnation ~開京の秋~ 1 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


開京。
チェ家の屋敷。

秋が深まり、屋敷の中の木々も
色を染め始めた頃。

屋敷の中は、にわかに慌ただしくなっている。

主家族が、鉄原での療養から
久方ぶりに、開京の屋敷に帰ってくる。

使用人たちは、その知らせを
待ち焦がれていたかのように
喜んだ。

屋敷の中を
塵一つないくらいに
掃除をし、
いつでも出迎える準備を整えていた。

「お~い。
旦那様と奥様が
開京の大門を潜られたぞ。

間もなく、こちらに
到着されるぞ!!」

主家族の食事の仕入れに
市井に買い出しに行っていた
1人の使用人が、
大きな声で叫びながら
屋敷の中に飛び込んでくる。

「そうか!

おい、湯殿の支度は?

ウォンソン様とユリ様の
おやつは?

寝台の布団は?」

留守を預かっていたボヨンが
屋敷の中を点検して回った。

厨からは、美味しそうな匂いが
漂い始める。

「よしっ。
これなら、いつでも
旦那様と奥様を
お迎えできるな。

手の空いてる者は、門の近くに集まれ。」

ボヨンが声をかけたと同時に
門の前がにわかにざわつき始めた。

ボヨンは、急いで門に走って行った。










ヨンが御者を務め、ウンスを乗せた馬車が
開京の大門を潜る。

通りを行き交う人々は、
御者を務めているヨンの姿に
振り返り見る。

ヨンは、その視線を
物ともせずに、ウンスに負担がかからないよう
馬車を起用に操り続ける。

馬車の後には、
皇宮にチェ尚宮ありといわれる
武閣氏の長、チェ尚宮が
孫のようなチェ家の長子、チェ・ウォンソンと共に
馬で闊歩している。

「何ともまた・・・

あれが、大護軍様のお子様かい?

大護軍様によく似た
利発そうなお子だ。」

「見てみろよ。
あのチェ尚宮様が、目じりを下げて・・・

本当に嬉しそうだ。」

市井の民が口々に話す。

「あれ?
そういえば・・・
奥方様は・・・?」

「何、バカ言ってんだい?

大護軍様が御者をしている
あの馬車にいらっしゃるに
違いないよ。」

「あ、そうか・・・
たしかにそうだ・・・ははは」

市井の民の間でも
ヨンのウンスへの溺愛ぶりは
承知の沙汰だった。






『ウンス。
間もなく、屋敷に到着します。

気分は、大丈夫ですか?』

ヨンは、馬車を操りながら
後ろのウンスに声をかける。

「ええ。大丈夫よ。
久しぶりの開京だから・・・
嬉しくって・・・

ねえ、窓を少し開けてもいい?」

『ダメです。
秋も深まり、かなり寒くなってきています。

風邪をひいてしまいます。』

「あ・・・そうなんだ・・・
ちょっと、街の様子が見たかったんだけど・・・

仕方ないわね・・・」

ウンスは、残念そうに呟いた。

『明日、
皆で、マンボの店に行きましょう。

それで、我慢してください。』

ヨンは、ウンスの寂しそうな声に
励ますように答えた。



















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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その際は、スルーをお願いします。

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by junjun