開京への道を
チュホンの軽やかな蹄の音が響く。
チュホンの背には、
チェ尚宮とウォンソンが跨り
開京への道中を楽しんでいた。
その数刻前・・・
菩提寺の門の前。
チュホンはテマンに手綱をひかれ
ヨンとウンス達を待っていた。
鉄原の屋敷から
ヨンをその背に乗せることが出来ず
気分を害していたチュホン。
菩提寺から、開京への道のりも
ヨンが、ウンスが乗る馬車の御者を
務めることは、チュホンにもわかっていた。
機嫌の悪いチュホンに
テマンが困った顔で話しかける。
「チュホン・・・
わかっている・・・
上護軍を乗せることができなくて
機嫌が悪いんだろう?
だがな・・・
仕方がないだろう?
お前の大好きな
奥方様のお身体が
上護軍は心配なんだよ。」
《そんなこと、わかってる。
でも、俺は、ずっと旦那様を
この背に乗せてきたんだ。
それなのに・・・》
チュホンは、テマンに
愚痴を言うように、
鼻を鳴らして、そっぽを向いた。
テマンのため息が
チュホンの耳に聞こえる。
チュホンは、耳をぴくぴくさせて
そのため息の向こうに聞こえる
足音を聞き取った。
『テマン。
準備は出来ているか?』
ため息をついていたテマンに
菩提寺への挨拶を済ませたヨンが声をかける。
「あ、はい。
上護軍。
しかし・・・
チュホンの機嫌が・・・」
『ああ・・・
そうだな・・・
だが、心配するな。
すぐに機嫌は治るはずだ。』
ヨンは、項垂れるテマンの頭を
ガシガシと撫でると
馬車の状態を確かめた。
チュホンは、ヨンの姿を
目で追いながら、再びブルルっと
鼻を鳴らした。
《旦那様は、あんなことおっしゃったけど
そんなに簡単に機嫌が治るわけない。
旦那様が、俺に跨ってくれるのなら
すぐに治るけど・・・さ・・・
あ、
あれ?
チェ尚宮様に
坊ちゃん・・・
そのいでたちは・・・
もしかして・・・?》
チュホンは、ヨンから少し遅れて
姿を現した、ウンスとウォンソン
そして、チェ尚宮の姿に目を丸くする。
「チェ尚宮様・・・?
それに、ウォンソン様・・・
そのお姿は・・・?」
テマンが、チェ尚宮とウォンソンの姿に
その理由を聞いた。
「ああ、これか?
この菩提寺から、開京まで
私とウォンソンは
チュホンに乗って行く。
その為の衣を纏っただけだが・・・?」
チェ尚宮は、チュホンの鬣を撫でながら
ウォンソンに微笑みかける。
《チェ尚宮様と
坊ちゃんが、俺に跨ってくれる?
旦那様じゃないのは
残念だけど・・・
それは、仕方ない・・・
だって、俺も奥様のこと大好きだし・・・
旦那様が、奥様をとっても
大事になさっていることも
わかってるから・・・
でも・・・
俺の寂しい気持ちを
旦那様は、わかってくれてたんだ。
だから・・・
ここから、開京までの距離なら
万が一のことがあっても
俺のこの脚で、坊ちゃんを護り抜ける・・・》
チュホンは、チェ尚宮に鬣を
撫でられながら、嬉しそうに
鼻を鳴らす。
「チュホン・・・
けぎょんまで、ぼくとおばばさまを
つれていってね。
おねがいします。」
チェ尚宮とウォンソンが
チュホンに跨がると、
ウォンソンが、チュホンの鬣を
撫でながら、チュホンに挨拶をした。
ウォンソンの可愛い挨拶に
チュホンは、ブルルっと鼻を鳴らすと
その長い首を上下に揺らした。
秋空の澄み渡った青空のした。
チュホンは、まるで鼻歌を歌うように
開京への道をかろやかに駆けて行った。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun