開京
坤成殿では、王と王妃、そしてチェ尚宮が
典医寺、チャン侍医の言葉を聞いて
喜々とした雰囲気に包まれていた。
「王様。
チャン侍医のあの言葉・・・
きっと、お義姉様がお子を授かる兆しがあったに違いないかと・・・」
王妃は、自分の事のように喜んでいる。
「王妃。
落ち着きなさい。
まだ、授かったと決まった訳ではない・・・
侍医は、喜ばしい知らせ・・・と言っていただけだ。
しかし・・・
それが真のことであれば・・・
これほど喜ばしいことはない・・・」
王は、王妃を落ち着かせながらも
喜びをその顔に浮かべている。
その一方で、チェ尚宮だけが
どことなく浮かない様子で
王と王妃の傍に控えていた。
「チェ尚宮・・・?
どうしたのです?
このように、喜ばしい兆しがあるというのに
そのように、浮かぬ顔をして・・・」
王妃は、チェ尚宮の様子に気付き
声をかけた。
「王妃様・・・
申し訳ありません。
ただ・・・
子が授かったとなると
それは喜ばしいことではございますが
嫁の身体のことを考えると・・・
素直に喜べず・・・」
チェ尚宮は、ウンスの身体のことを考えていた。
「チェ尚宮・・・
確かに、お義姉様の身体は
4度の毒に侵された過去があります。
されど・・・
ユリの出産の時に
クァンとミョンウォルが、
身体の中に残る毒を
全て解毒したと・・・」
王妃は、そこまで言葉を紡ぐと
チェ尚宮が心配する原因に思い当たった。
「チェ尚宮。
その方の心配もわからないでもない。
チェ尚宮の事だ。
義姉君のもとに駆け付け
面倒をみてやりたいと思っていても
皇宮を離れることが出来ないでいるのであろう・・・」
「王様・・・
何か、よい案はございませんか?」
王妃は、王の言葉に頷きながら
王に聞いた。
「王妃・・・
しばしの間、チェ尚宮を
余に貸してもらうが、構わぬか?」
「チェ尚宮・・・をですか・・・?
あっ!
それは・・・もちろん、構いません。
坤成殿には、チェ尚宮が育て上げた
優秀な武閣氏がいますゆえ・・・」
王は、王妃の言葉にそっと頷くと
チェ尚宮に向かって、王命を言い渡した。
チェ尚宮に王命を言い渡す。
これより、鉄原に赴き
我が王族の、世話を申し渡す。
すぐに準備をし、
鉄原に出立せよ。
また、その際に、鉄原のチェ家別宅に赴き
上護軍チェ・ヨンに、この書簡を手渡すように・・・」
王は、王妃とチェ尚宮の会話を聞きながら
認めていたヨンにあてた書簡を、チェ尚宮に手渡した。
「王様・・・
王妃様・・・
ありがとうございます。
王命、しかと承りました・・・」
チェ尚宮は、肩を微かに震わせながら
王と王妃に、深々と頭を下げた。
「チェ尚宮・・・
さぁ・・・お急ぎなさい・・・
そして、お義姉様と共に
開京にもどってくるのです。
良いですね・・・」
王妃は、柔らかな笑みを浮かべながら
チェ尚宮を送り出した。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun