愛しき日々~生きてこそ 50 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


ヨンは、離れの屋根の上から、
屋敷の中の様子を確認する。

『1、2、3・・・見える場所で、5人か・・・
侍医にアン・ヨンジンの引き留めを頼んだが・・・
時もあまりないはずだ・・・』

ヨンは、離れの屋根の
上から、パクと《蒼い狼》、スリバンたちの
配置を確認すると、
策を決行する合図の指笛を鳴らした。

ヨンの合図で、《蒼い狼》とスリバンたちが
アン・ヨンジンの屋敷の前で一斉に動き出す。

私兵たちの意識が屋敷の前に集中しだした時
ヨンは、人知れず離れの中に忍び込んだ。

離れの中は、薄暗く・・・
全ての窓に、板が打ち付けられていた。

『逃げ出さないように・・・か・・・』

ヨンは、独り言をつぶやくと
離れの奥へと進んでいく。

離れの奥。
座敷牢が作られている部屋の前。

2人の私兵が見張りに立っている。

ヨンは、2人の私兵の前に姿を現した。

「誰だ?!
ここで何をしている?!」

見張りの私兵が、ヨンに剣を抜いた。

『剣を降ろせ。
抵抗しなければ、何もせぬ。

だが・・・抵抗するなら・・・
命はないと思え!!』

ヨンは、ゆっくりと私兵の前へと歩みよって行く。

『時がないのだ。
邪魔だてするな。』

ヨンの威圧に身動きできない私兵を
手刀で意識を奪うと
座敷牢のある部屋へと入って行った。






離れの最奥。
光も通さない薄暗い部屋の中。
儚げに項垂れる女人が一人。

座敷牢の真ん中で座っている。

ヨンは、足音もさせずに、近づくと
静かな声で女人に声をかけた。

『ユン・ソンヨン殿で・・・?』

女人は、ヨンの声に顔をあげる。
その顔は、蒼褪め、血の気を失っていた。
そして、その瞳には、哀しみとも苦しみともとれる
暗闇を湛えていた。

「あ、貴方様は・・・?」

ソンヨンは、顔をあげ
ヨンをみると、消え入るような声で聞いた。

『ユン・ジモンから、
貴女が囚われていると・・・

さぁ、此処を出るのです。』

ヨンは、ソンヨンに簡単な説明をすると
座敷牢から出るよう促した。

「あ、あの・・・
貴方様は・・・
上護軍チェ・ヨン様でいらっしゃいますね・・・?」

 

『いかにも・・・

 

お急ぎを・・・』

 

ヨンは、ソンヨンの問いかけに

短く答えながら、ソンヨンを急かした。

「あ、あの人・・・ユン・ジモン様はご無事ですか?」

ソンヨンは、ヨンから座敷牢を出るよう急かされても
その場を動かずに、ジモンの安否を聞いた。

『今のところは・・・』

「ご無事・・・なのですね・・・

ならば・・・
私のことは、このままに・・・」

ソンヨンは、ジモンの無事を確かめると
安心した表情で首を横に振りながら言った。

『それは、出来ぬ話だ。

アン・ヨンジンの謀は全て明るみになった。

貴女がこのままここに居れば
貴女の命が危ない・・・

そして、貴女の身になにかあれば
あの男は、自らの命を捨てるかもしれぬ。

まして、貴女とあの男には、
今回の謀の罪を償ってもらわねばならぬ。』

ヨンは、動こうとしないソンヨンに痺れを切らし、
抱き抱えるようにして、座敷牢から出ていった。
















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
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by junjun