医院の裏口から、
そっとあたりの様子を窺い、
誰も見張りがいないことを確かめたソナは
一目散のマンボ姐の店へと走り出した。
ウンスが感じた、内官への違和感は
ソナにも感じとれていた。
しかし、皇宮など、よほどの用がない限り
出入りすることもないソナにとって
自分が感じた違和感が
正しいのか、自信を持つことが出来なかった。
奥様・・・
無茶だけは、けっしてなさらないでください。
私が戻るまで・・・
けっして、医院をでないでください・・・
ソナは、ただひたすらに
マンボ姐の店へと走り続けた。
一つ角を曲がれば、マンボ姐の店にたどり着こうとしたその時
ソナは、後ろから声をかけられた。
『ソナ?
ソナではないか?!』
ヨンは、王の行幸の下見にいく途中、
ソナを見かけ声をかけた。
ソナは、その声に振り向くと
足から崩れおち、その場に座り込んでしまった。
「だ・だん・・旦那様・・・」
『ソナ?
一体どうした?
何があった?』
ヨンは、座りこんだソナを立ち上がらせた。
「こ・・・これを・・・
皇宮の内官様が・・・
王妃様がお倒れになったと・・・
奥様をお連れに・・・」
ソナは、ウンスから預かった文を
ヨンに手渡した。
『何?
王妃様がお倒れになっただと?
何をいうか?
そのような報告受けてはおらぬ!
それで、あの方は?』
「はい・・・
内官様の様子が怪しいと・・・
なんとか、時間を稼ぐから
その文を、マンボ姐さんの店に届けるようにと・・・」
『チュンソク!!
下見は延期だ!
すぐに、医院へ行く!!』
ヨンは、チュンソクにウンスの文を手渡すと
そのまま医院へと駆け出した。
その頃医院では・・・
ウンスは、ソナを送り出すと
往診の道具を扉の後ろに隠し
内官の前に姿を現した。
「奥方様。
お急ぎください。
王妃様がお倒れになったのでございます。
もう、時間がございません。」
内官は、焦りを隠さずに
ウンスを急かし始めた。
「待ってください、内官殿。
さきほど、テソンが
王妃様のご様子をお聞きしたと思います。
王妃様のご様子がわからなければ
お持ちする薬草を決めることも出来ません。
私から、改めてお尋ねします。
王妃様のご様子は?
お熱があるのですか?
それとも、
頭が痛いのですか?
吐き気ですか?」
ウンスは、紙と筆を手にして
内官を問い詰める。
「あ・・・だから・・・
それは・・・
先ほども、こちらの医員に説明したように・・・
私は、奥方様をお呼びするようにと
命を受けただけで・・・
その・・・王妃様のご様子は・・・」
「そうですか・・・
ならば、仕方ありませんね。
ここの薬草庫ごと運びましょうか?」
ウンスは、困った顔をしながら呟いた。
「それは、無理な話でございます・・・
それに、薬草なら、典医寺にもございます。
それをお使いになられれば良いのでは・・・」
「典医寺の薬草で、
王妃様のお体が回復されるのであれば
私を呼びに来る必要なないかと思いますが・・・
典医寺には、高麗一のチャン侍医がいらっしゃるんですよ。
とにかく、今から、考えられる薬草の準備をしますから
騒がずに、お待ちになってください。」
ウンスは、内官を窘めるように言うと
そのまま医院の中へとひきかえしていった。

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun