夢幻花揺れて・・・ 38 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

宣仁殿。
玉座に王を迎えての朝議が始まった。

朝議の議題は、海岸線での
倭国との戦に終始していた。

「此度の戦。
今までであれば、上護軍であったチェ・ヨンが
先陣を切り、高麗軍の士気を鼓舞していた。

が・・・
その上護軍も今は居らぬ・・・

そこで、余が考えた策だが・・・」

王は、重臣達の前で、
徐にヨンが考えた策を披露した。

「高麗海軍の底力と
迂達赤、禁軍の統率された機動力。

これをもって、倭国の進軍を
阻止するべく、すでに動いておる。

ほどなく、海岸線から
勝利の報せが、ここ開京にも届くであろう。」

王は、宣仁殿に並び座る
重臣達の顔を見ながら
確固たる確信で勝利を宣言した。

王の勝利宣言に、重臣達の顔も
綻び、安堵のため息や笑みがこぼれる。

その中で、終始、額に汗を浮かべ
顔色のさえない面々を
王は、玉座から見逃しては居なかった。

「さて・・・
今朝、皇宮内に、珍しい花が咲いていると
噂を聞いたが・・・

誰か、その花の事、詳しく知る者はいないのか?」

王は、意味深な表情で、重臣達に問いかけた。

「恐れながら王様・・・
私どもも、突然咲き始めた花に
驚いているところでございます。

どうやら、高麗の花ではないように思えます。」

重臣の一人が、王の問いかけに答える。

「そうか・・・
高麗の花ではない・・・というか・・・

されど・・・」

王は、額に汗を浮かべ、顔色のさえない重臣達の
顔を見ながら話しを続けた。

「その方たちは・・・
何か知っているようにみえるが・・・?

どうだ・・・?
花の名前だけでも
教えてはくれぬか?」

王は、否とは言わせない圧力で
重臣達に問いかけた。

「お、王様・・・
恐れながら・・・私どもも
何の花か・・・
全く存じ上げませぬ。」

顔色の悪い重臣の一人が
ひれ伏すように答えた。

「まことに・・・
知らぬのか?

おかしな話よのぉ~

余が知る限り
そなたは、その花を見て
ワナワナと震えていたと聞いたが・・・

何かの間違いであったか・・・

まぁ、良い。
そのうち、花の名前を知る者が現れよう。」

王は、ひれ伏す重臣をチラリとみると
そのまま宣仁殿をあとにした。










皇宮の奥。
王が幼き頃過ごした小さな宮に
ウンスとウォンソンそしてユリが
人知れず到着したのは、東の空に
陽が昇りきらぬ早朝だった。

「ここが・・・
王様が幼い頃お過ごしになった宮なのね・・・」

『はい。
此度の策で、ウンス達を匿う為
特別にこの宮で過ごすことをお許しくださいました。

市井や鉄原だと、
いつ貴女たちに危害を加えられるか・・
それだけが心配でしたが・・・

この宮であれば、
少しは安心できるだろうと
王様のお心づかいでございます。』

ヨンは、ウンスの肩を抱き寄せ
宮に移り住むことになった経緯を説明した。

「そう・・・
とてもありがたいお話ね。

でも・・・
市井の人々を騙したみたいで
ちょっと、心苦しいわ・・・」

『確かに・・・
そのことでウンスが心を痛めることは
わかっております。

故に・・・
全てが解決したあかつきには
鉄原から、開京に戻ってきます。

もちろん、貴女は奇跡の回復を遂げて・・・』

「奇跡って・・・
もう・・・また、変な噂が立つんじゃないの?」

ヨンの悪戯っ子のような言い方に
ウンスは、頬を膨らませた。

『そのような事は・・・
鉄原で、病に効く薬草が見つかったと
その薬草で、貴女は元気を取り戻したということになるのです。』

「ウフフ・・・
まぁ、いいわ。
こうして、ヨンの傍にいられるんだから・・・

でも・・・
お役目を返上しちゃって、大丈夫なの?
復職・・・できるの?」

『それも、心配はいりません。
全て、この策が成就すれば
元通りになります。

ウンスは、何も心配することなく
俺や、子供たちの為に身体を治すこと。
それだけを考えてください。』

ヨンは、ウンスの額に口づけながら
優しく囁いた。

「ん・・・
そうね・・・
今は、身体を治すことにするわ・・・」

『まだ、陽が昇り切っておりません。
今少し、お休みになってください。』

ヨンは、ウンスの腰に手を回し
閨となる部屋へと連れて行った。












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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun