「ウンス様は、何らかの呪術に
かけられていらっしゃいます・・・」
その場にいた誰もが
息を飲み、重苦しい空気に包まれた。
『呪術・・・だと・・・?』
ヨンは、押し殺した声で呟く。
「はい・・・」
ミョンウォルは、俯き、
悔し気に一言だけ答えた。
「上護軍。
時がありません。
思い当たることはありませんか?」
チャン侍医が、ヨンに声をかける。
『そのようなこと・・・
俺を恨んでいる人間など
山ほどいよう・・・』
ヨンは、横たわり眠るウンスの手を握り
苦し気に告げた。
「ウンス殿を救うには、
その術を解かねばならないのです。
上護軍。
しっかりなさいませ。
貴方が、ウンス殿を救うのです。」
チャン侍医の厳しい言葉がヨンに降り注ぐ。
ヨンは、静かに顔をあげると
ウンスの額に口づけた。
寝屋の扉を開けると
『パソン!
ヨリ!!』
使用人頭のパソンとヨリを呼んだ。
ヨンの声に、パソンとヨリが
駆け付け、寝屋の扉前に跪いた。
「旦那様。
如何なさいましたか?」
ヨンは、あたりの気配を探りながら
パソンとヨリに話始めた。
『屋敷の中をくまなく調べよ。
どこかに、呪術を施した形跡があるはずだ。
ただし、外から気付かれないよう
心して探してくれ。』
「呪術・・・でございますか?」
パソンがヨンの言葉に聞き返した。
『あぁ・・・
そうだ・・・
病の原因は、呪術だ・・・』
「奥様・・・」
ヨリは、驚きのあまりそれ以上声が出ず
寝屋の奥、寝台に横たわるウンスを見つめた。
『時があまりない。急いでくれ。』
「畏まりました。
すぐに始めます。」
パソンとヨリは、ヨンに頭を下げると
他の使用人とともに、すぐに屋敷の中を調べ始めた。
『侍医・・・』
ヨンは、チャン侍医の顔をジッとみつめた。
その瞳には、聞きたくはない言葉を
聞かなければならない苦痛の色が浮かぶ。
「上護軍・・・
あと・・・1日・・・
持って2日・・・が限界です・・・」
『あと1日・・・?
持って2日・・・?』
チャン侍医は、厳しくも辛い言葉を
ヨンに告げた・・・
「おい!ヨン!!
そんなところで、呑気に座ってても
天女を救うことは出来ないだろうが!!」
チャン侍医の厳しくも辛い言葉に、
打ちひしがれ、項垂れるヨンの背中に
師叔の声が突き刺さる。
『師叔・・・』
「お前に呼ばれて顔をだしたが・・・
天女の病は、呪術が原因だって?
だったら、お前がすることは、
術者を見つけ出すことじゃないのか?
天女はよぉ、
お前のそんな姿見たかないと思うがな・・・」
師叔は、寝台に近づき、
ウンスの顔を覗き込む。
「ヨン、見てみろ・・・
穏やかに眠っているようだがよぉ・・・
天女は、必死に闘っているみだいだぜ。」
師叔の言葉に、皆が寝台の周りに集まった。
眠ったままのウンスの口が
微かに動いている。
ヨンは、ウンスの口元に耳を近づけると
か細い声が、ヨンの耳に届いた。
「ヨ・・・ン
私・・・負け・・・ない・・・
頑張る・・・から・・・」

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ドラマ『シンイ』の2次小説です。
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by junjun