unrequited love~儚き想い~ 63 | 時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

ウンスが湯あみを終えて、
寝屋に戻ってくると、ヨンが寝台に横たわり
書物を読んでいた。

ウンスは、鏡の前に座り、
濡れた髪を手拭いで拭いていた。

ふと、気付くと、背中にヨンの温もりを感じた。

ウンスは、鏡ごしに背中の方へ視線を向ける。

「ヨン・・・」

ヨンは、熱い眼差しでウンスを見ている。
その眼差しが、ヨンの欲情を物語っていた。

「ヨン・・・」

『わかっています。
月が真上に来るまでは、
何も致しません。

されど、その後は・・・』

ヨンは、ウンスの手から手拭いを奪うと、
優しい手つきで、ウンスの髪の滴を拭った。

「ごめんね・・・

なにもなければいいけれど
わからないじゃない?

だから、念のため・・・

明日の朝は、
ヨリにゆっくりでいいからって
言ってあるから・・・」

ウンスは、ヨンに申し訳なさげに話す。

『明日の朝は・・・
ゆっくりと・・・?

貴女が、ヨリに言ったのですか?』

ヨンは、ウンスの言葉に驚き
鏡の中のウンスを見つめた。

「あ・・・うん・・・
だって・・・
遅くまで起きてるし・・・

それからだと・・・
あの・・・」

ウンスは、耳まで真っ赤にして俯いてしまった。

『貴女という人は・・・

全く、敵いません・・・』

ヨンは、ウンスを背中から抱き寄せ、
その首筋に熱い唇を押し付けた。

「あ、ヨン・・・
まだ・・・髪が・・・」

『わかっています・・・
俺が、乾かしてあげます・・・』

ヨンは、もう一度、ウンスの白い首筋n
熱い唇を押し当てると、そこに紅い蝶の痕を残した。












夕餉の片付けが終わり、
スヨンは、小さな灯りを手に、
裏庭の桜の木の下へとやってきた。

桜の木の太い枝には、
ぶらんこが設えてある。

春の夜桜を眺めながら、
このぶらんこで、睦まじく過ごす主夫婦の姿を
目にしたことがある。

スヨンは、自分の将来も
あのような仲睦まじい夫婦になれたらと
憧れていた。

「スヨン・・・」

桜の木の下で、テマンが待っていた。

「テマンさん・・・
灯りも持たずに、待っていたのですか?」

「オイラ・・・
夜目はきくから・・・」

テマンは、鼻の頭をポリポリと掻きながら呟いた。

「あの・・・
テマンさん。

私、テマンさんにお話が・・・」

「あ!
オイラも、スヨンに話があるんだ。

オイラの話から聞いてくれないか?」

「あ、はい・・・」

二人は、桜の木の下、
向かい合ったまま、話を切り出した。

「スヨン・・・
オイラ・・・

嫁を貰うことにした。」

「嫁・・・」

テマンの一言に、スヨンの瞳から、
涙が零れ落ちそうになる。

「それ・・・は
おめでとう・・・ございます。

ど、どなたか・・・
お決まり・・・なのでしょうか?

テマンさんに嫁げるのなら・・・
きっと・・・

そのお方を、大切になさってくださいませ。
どうか・・・お幸せに・・・

おやすみなさい。」

スヨンは、精一杯の笑みを浮かべると、
そのまま、走り出し部屋へと戻って行った。










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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。
ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。
by junjun