時をこえて・・《シンイ2次小説》

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。

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蒼い狼の隠れ家




ファスインから受けた火傷とチョヌムジャから受けた斬り傷で、
瀕死の状態でチャン侍医が蒼い狼の隠れ家に運び込まれて、

数日が経っていた。

「お加減は、いかがですか?」

チャン侍医が療養している部屋に
クァンとミョンウォルが、静かに入ってきた。

「あ、これは、クァン先生に、ミョンウォルさん。
今日は、ずいぶんと調子が良いようです。」

寝台の横にある窓から、外の様子を眺めていた
チャン侍医が、穏やかな声で、クァンとミョンウォルに答えた。

「そのようですね。」

クァンは、寝台の横の椅子に腰かけ、
チャン侍医の脈診をはじめながら答えた。

「脈は、落ち着いていますね。
あとは・・・背中の傷と・・・」

クァンは、チャン侍医の状態を確かめながらいう。
その声に合わせるかのように、ミョンウォルが
チャン侍医の身体を起こし包帯をはずし始めた。

「そうですね。
背中の傷は、問題ないかと・・・
されど・・・
この、火傷は・・・」

チャン侍医は、ファスインから受けた火傷の傷は、
完治することはないことに気付いていた。

「チャン侍医・・・」

クァンは、チャン侍医の言葉に、

なにも言い返すことが出来なかった。

「クァン先生。
私は、大丈夫です。
こうして、命を助けて頂いたのです。
火傷の痕など、大したことではありません。

ただ・・・」

チャン侍医の右手は、ファスインから受けた火傷の後遺症で
今までのように、動かすことは難しいだろうと、
チャン侍医も、クァンもわかっていた。

「チャン侍医・・・」

クァンは、同じ医の道を進む者として、
チャン侍医の無念が痛いほどわかった。

「ところで、典医寺や医仙の様子は?」

蒼い狼の隠れ家に身を寄せてから
皇宮の様子やウンスの様子がわからず、
忸怩たる思いを抱いていた。

「典医寺は、先日より診察を再開されたと聞いています。
あと・・・医仙さまは・・・」

ミョンウォルは、典医寺の様子を告げると
ウンスの状態をどのように告げたらよいか
クァンに視線で確かめた。

クァンは、一つ息を吐くと
少し思いつめたような声で答えた。

「天女は・・・
解毒薬を完成できず・・・」

「今・・・なんと・・・?」

チャン侍医は、クァンの言葉に
目の前が真っ暗になる。

「しかし、チャン侍医が書き残されていた
毒に関する覚書から、治療方法を見つけたと・・・」

クァンは、ウンスが毒を以って毒を制す治療方法を
試そうとしていることを、チャン侍医に話した。

「それは・・・あの覚書?

しかし、あれはとても危険な・・・」

「そう、とても危険な治療法です。
されど、天女は、天界でもその治療方法は存在すると、
ヨンやチェ尚宮様を説き伏せたそうです。」

「なんと・・・無謀な・・・
それで?
その治療は、いつ、始めるのですか?」

チャン侍医は、ウンスの様子が気になり
クァンに食いつくように聞いた。

「今日・・・
既に、治療は、始まっているかと・・・」

ミョンウォルは心配そうな声で、
ウンスの治療が始まっていることを教えた。

「ここで、休んではいられません。
私も、いますぐ、皇宮に、迂達赤の兵舎に・・・!!

あっ・・・!!」

チャン侍医は、今にも飛び出さんばかりに
身体を動かそうとする。

しかし、数日前に瀕死の状態で運び込まれたその身体は
チャン侍医の思うように動くことは出来なかった。

「無茶をするな!!
チャン侍医、貴方も瀕死の状態だったんだ!!」

クァンは、思わず荒い声で、チャン侍医を止めた。

「大丈夫だ。
天女の近くには、リュウがいる。

何かあれば、ここに知らせが入る。

いざという時は、俺が駆け付ける。」

クァンは、チャン侍医を寝台に
横たわらせながら、安心させるように告げた。



















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ご無沙汰しております、junjunです。

なかなか、お話をお届けできず
本当に申し訳ありません。

不定期になるかと思いますが
少しづつ、お話をお届けできればと・・・

期待せずにお待ちいただければ嬉しいです。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

また、非難中傷されるような
辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
お返事もできませんし、
心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。

by junjun