時をこえて・・《シンイ2次小説》 -2ページ目

時をこえて・・《シンイ2次小説》

「信義ーシンイー」の2次小説を綴っています。


《ああ、わかった。
必ず、渡す。
それに、チャン侍医が助かったことも・・・》

「いえ・・・

それは・・・内密・・・に・・・

今、私の事を知れば、
医仙は、私を治療すると・・・

それは・・・
医仙の負担に・・・」

チャン侍医は、顔を横に振りながら
トギの言葉を遮った。

《わかった・・・

とにかく、ここは離れた方が良い。

どこか・・・
治療ができて・・・
身を隠すことができる場所は・・・》


トギは、チャン侍医を匿い、治療できる隠れ家が
どこかにないかと、思いを巡らせたその時
天井裏から声が聞えてきた。



「ここは、危険だ。
あんたも、身を隠した方がいい。」

トギは、声のする天井を見上げた。

「あんたに何かあれば、天女が悲しむ。
あれ以上、天女を悲しませちゃなんねぇ・・・」

天井裏から聞こえてくる声が、
突然トギの背中から聞こえてきた。

トギは、驚きながら、振り返ると
そこには、覆面で顔を隠した男が膝をつき座っていた。


《お前は・・・リュウ・・・か?
ならば、蒼い狼が皇宮に・・・?
スリバン・・・も?》

トギは、覆面の男の顔を確認すると
矢継ぎ早に手話で問いかけた。

「あんたの言いたい事はわかっている。
だが、今は、時がない。」

リュウは、トギの腕を掴むと、急ぎその場から離れようとする。
しかし、トギはその手を振り払うと、再び手話で話かけた。

《私は、大丈夫だ。
私の代わりに、チャン侍医を・・・!
まだ、微かに息がある。今なら、まだ助けられる!!》

トギの手話を読みとると、リュウは、横たわるチャン侍医の首に
指をあて、脈を確かめた。

「確かに・・・
だが・・・」

その脈は、力弱く、今にも途絶えそうになっていた。

チャン侍医の手を握り、必死にその消え入りそうな命の灯を
繋ぎとめようとしているトギの姿に、リュウは、意を決めたように告げた。

「わかった。とにかく、蒼い狼の隠れ家に運ぼう。
隠れ家なら、クァンがいる。」

リュウは、トギを宥めるように告げると、
左手を振り上げた。

すると、どこからともなく、覆面をした男が数人姿を現した。
そして、瀕死の状態のチャン侍医を音もたてず、静かに運び出した。

「トギ。
お前も一緒に来るんだ!!」

リュウは、チャン侍医を見送るトギの腕を掴み、
その後を追うように、その場から立ち去ろうとした。

トギは、リュウの言葉に、一度頷きながら、
チャン侍医から託されたウンスの解毒薬をリュウに見せた。

「これは?」

《ウンスの解毒薬だ。
チャン侍医が命がけで護り抜いた。
これを、ウンスに届けなければ・・・》

「わかった。
後で、迂達赤の兵舎に届けてやる。
だが、今は、とにかくここから離れるんだ。」

リュウは、もう一度、トギに告げた。
















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最後まで、お読みいただき、
ありがとうございます。

ご無沙汰しております、junjunです。

なかなか、お話をお届けできず
本当に申し訳ありません。

不定期になるかと思いますが
少しづつ、お話をお届けできればと・・・

期待せずにお待ちいただければ嬉しいです。

ドラマ『シンイ』の2次小説です。
私の想像の世界です。
お読みいただき、
イメージが異なってしまうかもしれません。
その際は、スルーをお願いします。

また、非難中傷されるような
辛口コメントもお控えください。
万が一そのようなコメントをいただきましても
お返事もできませんし、
心苦しくなるだけですので削除させて頂きます。
ご了承くださいませ。

by junjun