生活保護行政の現状 | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

生活保護行政の現状



昨日、6月2日(土)宮崎市佐土原交流プラザで第33回地方自治研究宮崎県集会があり,私は第4分科会(福祉)の記録者として参加しました。

5本の発表のなかに、「宮崎市の生活保護の現状と課題」がありました.

近年、全国的に生活保護受給者が急増していますが、宮崎市の保護件数も大きく伸びています。

   2007年の保護世帯数が,3,949世帯、実人員5,425人(保護率14.37)
   2011年の保護世帯数が,5,557世帯、実人員7,5765人(保護率18.95)

世帯類型を見ると、高齢世帯、傷病世帯が多いのですが、急増の要因は、「その他の世帯」の増加にあるようです。

上記の世帯、母子世帯や障害世帯に属さない「その他」の世帯とは、稼働年齢層(特に40代、50代)で病気でもない働ける人たち。すなわち会社をリストラされ収入が途絶えた人が年々増える傾向にあります。

宮崎市の人員数の推移は
   2007年のケースワーカー数が45名、指導員その他を入れると 65名
   2012年のケースワーカー数が73名、指導員その他を入れると110名

課の職員数が110名。名前も顔を覚えないまま職員が異動していくとも。  
しかし、ケースワーカーや各種指導員の増員がはかられても「人が足らない」と発表者が悩みを語っていました。

一時はワーカー1人あたり110世帯を超える時期もあったが今は90世帯程に減っているようですが、国の配置基準の80世帯からするとまだ多い状況。
        不安定な雇用形態の職場が増え、また雇用の場も限られている現状をかえない限り問題は解決しないと思います。

いま巷で騒がれている「保護の不正受給」。

その防止には福祉事務所の念入りな事前調査と開始後の指導が、また生活保護をやめられるための細かな自立支援だ重要です。しかし、全国の多くの市福祉事務所は人員不足。その防止には福祉事務所の念入りな事前調査と開始後の指導が、また生活保護をやめられるための細かな自立支援だ重要です。しかし、全国の多くの市福祉事務所は人員不足。調査権もありません。

生活保護制度は、福祉に携わっている人でも理解しにくい独特な制度です。制度を正しく理解してもらう努力も必要です。

年々、指導・支援も複雑化して高い技術が求められる社会福祉主事(ケースワーカー)。正しい生活保護制度を維持するためには、ワーカー個人個人の努力に増して人員増の必要性を重ねて痛感したレポートでした。