宮崎から震災がれきを考える | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

宮崎から震災がれきを考える

東北・関東の震災がれきの処分が進んでいない。

国の計画では、福島県内の汚染土壌は発生元近くで3年間仮置きされた後、県内に設ける「中間貯蔵施設」に移し約30年間保管をするとなっているが、地元との協議は難航しているようだ。

絶対大丈夫だ、安全だと原発を推進してきた国に対する不信感も相当なものだろう。

国は躍起になって広域処理を進めようとしているが、東北地方以外で広域処理が出来ているのは東京都だけ。住民がほとんど住んでいない東京湾の埋め立て地に受け入れている。

静岡県島田市が受け入れに向けて「試験焼却を行っているが放射性物質の汚染を心配する住民が、細野豪志環境大臣や黒岩知事と対立している映像が放映されていた。

私が、昨年夏に宮城県石巻市の避難所運営ボランティアで行ったとき、海岸線で目にした堆く積まれたがれきの山はいまでも脳裏にこびりついている。

震災がれきは、放射能だけでなく、津波によってありとあらゆるものを流されているので受け入れ側の自治体や住民は慎重にならざるを得ない。

宮崎県議会では、3月1日の代表質問で自民党のN議員が震災がれき受け入れについて執行部に質問をしている。

N議員:「がれき処理なくして復興はない。本県は、口蹄疫、新燃岳噴火で全国から支援を受けており、受け入れるべきではないか。」

環境担当部長:「昨年の環境省調査で受け入れ余力のあるとした県内5市と意見交換した。国の安全基準などを示したが受け入れる市はなかった。」

N議員:「県が安全安心に責任を持ち、知事のリーダーシップで市町村を説得するべきだ。」

河野知事:「被災地の復旧・復興に向けて支援していきたいが、県民の安心・安全の確保も必要。国の安全基準は県民の安心に結びついていない。処理の必要性は認識しているが、市町村の意向を受け止める。」

元総務省官僚である知事もがれき処理については国に対して不信感があるように映る。

そもそも、宮崎県内でもそうであるように全国的に「廃棄物処理場」が圧倒的に不足をしている現状を冷静に分析しなければ次に進めないのは明確である。

全国どこでも、廃棄物の焼却施設や埋め立て地が不足をしている。ゴミの量は年を追って増加しているのに、財源の確保や適地確保のための地元住民との交渉などが思うように進まず埋め立て地の確保などが追いついていない。ほとんどの自治体で我が家のゴミ処分にも困っている状況にあり、元々受け入れる余裕のある自治体は少ない。

通常の一般廃棄物、産業廃棄物の他県からの搬入などでも地域住民の強い意見もあり都道府県担当部局は四苦八苦している。震災がれき問題で地元住民とトラブルになれば「今後の通常処分や新たな処分場確保に大きな悪影響を与える」と慎重になるのは当たり前である。

東北の震災がれきは、通常の処理量の10年分から17年分ぐらいあるといわれている。災害時の対応は通常と違って当然であるが、今回の震災がれき処理にこれといった妙案はないと考える。

本来、廃棄物は「地産地消」、地域で出た廃棄物は地域で処分するのが原則である。だからこそ地域の美観や環境問題を自分のことと認識でき地域活動につながる。

被災地に処分場を建設するのが何より近道のような気がする。被災地に処分場は造れないのか、どなたか返答をいただきたい。