宮崎県ドクターヘリ 2月23日から運行訓練開始 | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

宮崎県ドクターヘリ 2月23日から運行訓練開始

宮崎県のドクターヘリ導入状況をレポートします。

宮崎大学医学部付属病院に導入するドクターヘリの第2回運航調整委員会が2月7日、宮崎市内のホテルであり、無休で午前8時半~日没30分前まで運航するなどの運航要領が決定したしたようです。

2月23日から県内全域で運航訓練を始め、出動要請から模擬患者を収容するまで消防と訓練した上で、4月中旬の運航開始を目指すこととなっています。

いよいよ、ここまで来ました。東国原知事時代に、ドクヘリが常駐する基地病院に宮崎大学付属病院が名乗りを挙げたことで、国の地域医療再生基金を活用したドクターヘリ導入がスムーズに決定し、宮崎大学付属病院の高次救急医療施設(3次救急医療施設)の整備などが急ピッチで行われています。

日本医科大学千葉北総病院でフライトドクターとして活躍されてきた宮崎市出身の金丸勝弘先生も、昨年宮崎大学に移られ中心的役割を担っておられます。

下の写真は、2008年5月に千葉北総病院に調査に行ったときのものです。私の右側の方が金丸Drです。
                    

運行に当たり大きな課題は、受け入れ側の宮崎大学と出動要請側の地域消防のMC(メディカルコントロール)の確認と要請基準の統一。

患者容体に応じた出動要請基準の統一が難しいことは先進県の事例で明らかになっています。出動要請は現場の(消防)救急担当のトリアージにかかっています。要請先に遠慮してオーバーを心配するがゆえにアンダーになるケースをなくすことが何よりも肝要です。双方の信頼関係の構築が急がれます。(出動要請を躊躇しない)

もう一つは、ドクヘリと患者の乗っている救急車と待ち合わせ場所(ランデブーポイント)の拡充と充実化。現状では約280カ所となっていますが2倍以上に増やす必要があると思います。高速道路上や田んぼ道にも降ります。私は勧めませんが医師をホイストで上空から現場に降下させるという事例もあります。

宮崎県特有の問題は、常備消防のない県北7町村の対応。計画ではドクヘリと交信するための各役場に県からドクヘリと交信するための携帯無線機2台を配備するとなっていますが実際の派遣要請に支障がないのか心配です。MCの研修とか充実してください。


宮崎の空にドクターヘリが飛ぶ日を楽しみにしています。