電力の自由化(規制緩和)を考える (1) | 満行潤一 オフィシャルブログ Powered by Ameba

電力の自由化(規制緩和)を考える (1)

1 電力の自然独占
 (1)自然独占とされてきた電気事業
  電力産業には規模の経済があると考えられてきたため、多くの国で電力会社に地域  独占を認め、その代わり電気料金を国家が統制してきた。

 (2)地域独占と電力事業独占 2つの独占
国内9電力会社(沖縄を入れると10)が地域の電力営業を独占
地域内すべての電力事業(発電・送電・配電・小売り)を1社独占

 (3)電力会社9社体制に至る経過(歴史)
明治、大正をとおし日本各地では中小の電力会社の設立が相次いだが、1939年、戦  時国家体制により特殊法人の日本発送電に接収統合。
  戦後のGHQ占領政策において、日本発送電の独占状態を問題視し是正勧告
電力の鬼「松永安左エ門」電気事業再編成審議会会長がGHQを直接説得し、国会  決議より効力が強いGHQポツダム政令として、電気事業再編成審議会の全委員(日  本発送電存続派)の反対を押し切る形で、現在の9電力会社への事業再編が実現(国  の介入を嫌う)

1937年 当時、日本に存在した電気事業者は470社
1938年 「電力国家統制法案」日本発送電株式会社法成立
1951年 全国9地域の電力会社に分割

2 電気料金はどうやって決まるか
電気事業者の利益は施設の資産の量の一定の報酬率(今は3%)
原発から出た「使用済み核燃料」も資産勘定

(1)総括原価方式とは
発電・送電・電力販売にかかわるすべての費用(人件費や燃料費,修繕費など)を  「総括原価」としてコストに反映し、その上に電力会社の利益を前もって上乗せす  る方法である。電気の安定供給のためとされるが,報酬は発電用資産が増えるほど  大きくなり,原発推進の誘因にもなったとの指摘がある。
PPS(特定規模電気事業者)は総括原価方式の対象外にある。

宮崎県企業局も九州電力との売買契約は総括原価方式。このおかげで雨が少ない年  でも決算は黒字となる安定的な経営が可能になっている。